6話

期待するって何だろう。

ずーっと
私は息子に
期待なんてしてない
と思っていた。

いい大学に
いってほしいとか
スポーツで
結果をだしてほしいとか
そんなことも何も
望んだこともなかった。

ただ、
学校でいい仲間に出逢って
楽しい学生生活送れたら
それでいい…
と、思ってた。

だから
学校に行かなくなってからも

何もたいしたこと
望んでないのになぁ…
何も望んでないのに
何も望んでないのに

と思っていたある日、
はっとした。

ただ、
元気で楽しく
学校に通ってほしい

そう私は望んでるんだ。

その事に初めて気がついた。

息子に私の望むように
なってほしいと思っていたのだ。

すごいことは
望んでなくても

こうあってほしいと
望んでる姿があった。

たいしたことか
たいしたことでないか
なんて関係ない。

期待してたのだ。
そのことを
はっきり自覚した。