第2話
学校に行くことに
何の疑問ももったことがなく
学生生活を
過ごしてきた私にとって
まさか自分の子どもが
学校にいかなくなるなんて
思ってもみなかった。
行かせないといけない
と思っていた時は
朝がくるのが憂鬱だった。
寝起きの悪い息子を
何度も声をかけて
やっと叩き起こして
制服にも着替えて…
なのに、
また部屋で寝る。
なんで?
今日は行った!
と思って安心していたら
見えない位置に
自転車を隠して
行ったふり。
とりあえず家を出て
電車で時間をつぶして
私が出かけた頃に
戻ってくる。
そんなこともしていた事が
後々発覚した。
TVドラマの朝のシーンで
普通にご飯食べて
「いってきま〜す」と
家族がそれぞれに
家をでていく場面を
みたりすると、
そんなあたりまえの場面が
私にとって夢の世界✨だった。
その時の私は
とにかく
学校にいかせたかったのだ。
毎朝毎朝
私はたたかっていた。
今思えば
たたかっていたのは
学校にいかない息子とではなく
自分の中の
正義感だったのかもしれないけれど
その時の私は
そんなことにも
気づかないほど目の前のことに
必死だった。
写真は315km歩いたサンティアゴ巡礼より
