ついに
息子の順番が
まわってきた。
がっしりした男性は
優しいまなざしで
掻きむしって、
どこもかしこもガサガサ肌の
息子をみた。
「大丈夫だよ 治してあげるからね」
優しい声でそう言うと
身体に僅かも触れず
ただ、体のラインにそって
小さな全身を
手で包み込むように
上下させただけだった。
「もう、大丈夫」
1〜2分くらいのことだった。
(え??これだけ??)
(うそやん)
私はあっけにとられた。
これだけ??
何をどう信じればいいのかも
わからなかった。
それから3日しても
1週間たっても何の変化もなかった。
今回もだめだったか…
もうがっかりするのは慣れていた。
だから、気落ちすることもなかった。
そして10日たち、2週間たった頃のことだ。
息子の肌が変わり出したのが
わかった。
毎日毎日、何の変化もなかった肌。
僅かな変化でさえ
見逃さなかった。
あのヒーリングをうけた日、
友達がこう言った。
「2週間くらいしたら
かわってくるからね!」
まさに、言われた通り
日に日に息子の肌は
変わっていったのだ。
