夜中にかきむしった身体を

朝にお風呂で洗って消毒、保湿。

痛くて泣く声で

朝から大騒ぎだった。


ある日、マンションの管理人から

電話があった。

子どもの泣き声がうるさいと

まわりの住人から連絡があったという。

状況を説明しても

理解などしてもらえない。


あまりに続いたら

出て行ってもらわないと 

いけなくなりますよ


と言われ、

あやまりながら


なぜだか

泣けてきた。


わかってもらえない

悔しさなのか


人のもつ冷たさへの

虚しさなのか


向ける先がない複雑な思い


なんでこんな事を

言われないといけないんだ


この子が

大声で泣かなかったら

出て行けなんて

言われないのに…


息子が悪いんじゃない

わかっているのに

しつこく泣いている長男に

無性に腹が立って

腹が立って

仕方なくなるくらい

その頃の私は

自分もいっぱいいっぱい。


一番しんどいはずの

小さな子どもを思いやる

心のゆとりさえも

なかった。