フィリピン行きの教材
先日、今年のマニラでのボランティアチームが無事帰国しました。
そして、みんなはフィリピンから多くの物を頂いてきたようです
(お土産話はおいおいに…)
神父さまは、マニラ行きのメンバーを集めて
出発前に、事前勉強を何度か開きました。
今回の参加メンバーは若い女性が多かったのですが
不運な事に、狂犬病の事件や、アジアサミットでのテロの噂などで
彼女達や親御さんの中に不安を抱いている人が多かったからです。
ある日、神父さまから電話がかかってきました。
『 mahalさん、あなたフィリピンに詳しいけど
勉強会で使えるようなビデオなど持っていませんか?』
『 忘れられた子供たち というスモーキーマウンテンのドキュメントですが
それなら、勉強会にはピッタリですよ 』
『 そんなに、いいですか?』
『 ハイ!! 太鼓判押しますよ 』
という事で、忘れられた子供たち のDVDを勉強会に使う事になりました。
それから、しばらくしてDVDを見た一人に会いました。
( 彼女は何度もマニラに行っているリピーターです)
『 あのDVD、mahalさんからだったんだって?』
『 そう!! みんなの感想はどうだった?』
『 2時間全部は見る時間無かったから、ところどころ見たんだ 』
『 で、どの場面を見たの?』
『 最初の場面は台風の後、川に水死体が流れている場面・・・ 』
『 最初からそれはキツイね 』
『 神父さまも慌てて飛ばしたんだけど、次の場面が
これまたゴミの中に人間の足が捨てられている場面だったの… 』
『 よりによって、その場面かい… 』
『 みんなには、「普段はこれほど酷くない」と説明しておいたよ。
でも、神父さまもその場にいた人達もドン引きだったよ 』
普段、テレビで放映されるドキュメンタリー番組は
顔の可愛い子を使って、けなげに頑張っている姿を映し出し
観た後の視聴者の心には、感動の気持ちが残ります。
しかし、この映画は違うのです。
頑張っても頑張ってもどうにもならない虚しさがあります。
でも、それもフィリピンの現実なのですから
フィリピンを知る教材にはピッタリなのだと思います。
あの神父さま も冷や汗をかいたのなら、私の勝ちです