昨日の、僧侶研修のお方の“呟き”です。

 

お経のお唱えの仕方など、いろいろ指導を受けているのですが、あのお方のいっていることと、このお方のいっていることが“まちまち”で困ってしまいます、というような内容でした。(少しアレンジしているようですが、お許しください。)

 

私もご指導いたしますが、法臘(ほうろう)が経っているということだけの理由で、依頼を受けて、研修のお方のお世話をしています。ですから、私以外の者がご指導してくださることが、もちろんあります。また私ができないときは、他の僧侶にお願いするときもあります。

 

私たちがご指導できるのは、ほんの基本的なことがらだけです。それでも、指導の仕方に違いがみられます。読経の仕方は僧侶それぞれ、“まちまち”なのですから。

 

では、研修のお方はどうすればいいのでしょうか。『大日経』の六十心のうち、決定心・疑心、闇心・明心にも、なにか解決の手がかりがあるようです。

 

まず、

基本とすべきところを、しっかりとした、たしかなお方、気が合うお方、自分がいいなと考えるお方に、素直な姿勢で学ぶ。疑いがあれば、前に進めません。

 

途中で、

他のお方から異なる意見を聞いた場合、先に聞いたこととの違いをはっきりと意識して、異なる意見を批判、拒絶したりせず、あるいは異なる意見であるのに、先に聞いた仕方と同じことだと安易に納得しない。

 

ですから、

それぞれに教え方の違いがあったとしても、先に聞いた仕方と後で聞いた仕方の相違をただしく理解できるなら、とまどうことはないのではないでしょうか。

 

まずは、

先に聞いた仕方に対して疑いなどを生じず、習った基本をまもり、お経が安定してくるまで鍛錬に励みます。

 

そのようにお答えいたします。