月に一度28日には、護摩供を修します。願意が書かれた祈願者の護摩木は50本ほど。多いか、少ないかは考慮いたしません。はじめて護摩木に願意を記してくださったお方は30%ほど、その他は、毎回の目にするお名前です。護摩木一本300円で、ルーティンワークとしては“お気軽”なのでしょうか、それとも皆さまの願いがいまだに叶っていないのかとも心配になります。

 

ご祈祷、護摩供は、大宇宙の気、万物生成の根源の活動に、何らかの影響を及ぼそうというのですから、いい加減な気持ちでは行えません。(松長有慶先生『祈り』春秋社2014, p.80より)

 

護摩供では、お不動さまのご真言を千返お唱えするようにと定められています。それでも、なかなか実行できない時がままあります。ですから、本日あたりから“慈救の呪”を唱え始め、当日お唱えする分で、千返となるように準備をいたします。

 

ご真言の唱え方にもいろいろあるのですが、まずは基本通り、ゆっくり丁寧に、そしてはっきりと発音してお唱えするようにしています。基本は自分の耳に聞こえる程度、必要なときには少し大きめ、まわりの人にも聞こえるような声を出します。もちろん、そのときは息を吸うときは発声できません。しばらくして、こころが平静になったら、心の中で念誦をします。声は出しませんから、息を吸うときも、息を吐くときも、途切れずにお唱えできます。呼吸もゆっくりとなります。そして再び、声に出してという感じです。だいたい300返で、25分ほどとなります。念誦は工夫してお唱えします。加行のときに身に付けたテクニックです。

 

チベットの僧侶のご真言の唱え方は、低い声で独特です。