本日のご法事についてお話しいたします。お聞きくださいませ。

 

ご自宅での読経の後、墓前へ同行いたします(車で17分ほど)ので、お塔婆三基のご用意もあります。

 

お施主さまのお母さまの十三回忌です。お父さまは先年七回忌をお済ませとのこと。(お寺の他の僧侶がお勤めしてくださいました。)ご参列は、お施主さまとお施主さまの奥さま、9ヶ月のお孫さまお一人を含め、ご長女さまご家族、そして長男さまの6名です。

 

その長男さまは身体的に障害(不都合)があるようで、立ち上がるのも、ご両親さまの介添えが必要なくらいです。でも、会話は充分にできますが、とつとつ(訥々)とお話してくださいます。29歳とのこと。外出することがあるのですか、とお聞きしたところ、ほとんどしないとのこと。リビングは広い空間、ウオーキングマシンなどの運動器具が数台ありました。娘さまとも少しお話しして読経となりました。読経が終わってから、少しお話ししました。

 

息子さまにひとつお願いがありますと申し上げました。それは、毎日決まった何か、欠かさず行うという習慣をひとつ身につけていただけませんか、ということです。無理という小さなお声。朝起きたら、お仏壇に手をあわせるとかでいいのです。「ルーティン」となる何か小さなこと。そしてできれば、お仏壇に手をあわせる前に、お鈴を鳴らしてください。少し間を開けて二回ほどです。

 

お勧めの仕方は、まずお鈴を打ちます。撞木は立てて、お鈴の横側面をたたきます。決した上から打ち下ろすことはしないでください。「お鈴が痛がりますから。」

一度お鈴を鳴らして、余韻が聞こえる間は、息を吐いてください。息を吐ききったら、息を吸いおわってから、もう一度お鈴を鳴らします。そして撞木をおき、手を合わせるという仕方です。

 

私はこの仕方を40年ほど前に習いました。もちろん毎回、読経前の「ルーティン」となっています。40年ほど前の私はとても元気でした。木々や草花、ときには狸や鹿と出会う、自然がいっぱいの中で過ごすことができました。夜明け前に起床し、朝の光りを感じながら、読経をしました。「ルーティン」となっているこの仕方でお鈴を打つと、その頃のことがよみがえり、すがすがしい気持ちになれるのです。