本日のお葬儀での“小さなできごと”をひとつ、お話しいたします。
88歳の女性のお葬儀でした。二人の娘さまとお一人のお孫さま。お孫さまは立派に成人されています。
最近のお葬儀では、会場の前方にモニターが設置され、ご逝去されたお方をお偲びする写真が、読経の間も途切れることなく、次々と写しだされています。
そこには、故人さまがご趣味の、合唱コーラスに参加されたとき舞台でのご様子や日本舞踊を舞われる晴れ姿をはじめ、家族旅行など、ご家族さまと一緒のお写真がたくさんです。家族写真の中には、ほとんどお孫さんが写っています。誕生間際のお婆さまに抱かれた写真、七五三参りで着飾ったお二人の和服姿、もちろん旅行先でのお写真など、そして病室にお見舞いにいかれたときのお互い笑顔でのお写真などです。
斎場での読経を終えて、そのお孫さんがひとこと、おっしゃってくださいました。お婆ちゃんのお写真を通して、“自分の成長記録”を見ているようでした、と。お孫さまの横には、いつもお婆さまがいらっしゃったのですね。
故人さまのお写真は、ご家族さまに引継がれ、思い出とともに、ご家族さまのご繁栄を支えるものなのですね。 合掌