実家にあった本で、いまは手元になく、読み返してみたいと思い、アマゾン通販で購入しました。この時期ぴったりの『十二支物語』大修館書店1968です。その図書から、来年巳(ミ)年、「巳」に関する話を抜粋、ご紹介します。

 

 

「巳」(ミ、シ)という漢字は、蛇(へび、へみ)を表わします。「巳」も「蛇」も象形文字です。蛇には無数の種類があり、角があるもの、翼があるもの、また人面蛇身(蛇身人首)のもの。その大きさも「千尋」のものもあったといいます。

 

蛇が出ると旱(ひでり)になる、蛇の夢を見ると女の子が生まれる、また「亀は智にして、蛇は果(果断)なり」といった、蛇の徳をたたえる表現もあります。「果断」とは、ものごとを思いきって行うこと。決断力のあることをいいます。また蛇は毒草・薬草を知っているとされ、蝮蛇(まむし)は薬酒となり、蛇自身を薬用と用いることも数多くあります。

 

また伝説のひとつに、蛇が玉女に化けて人を蠱惑するという話もあり、それは道成寺の安珍・清姫の故事を想起させます。

 

私たちの暮らす場所では、へびを見ることがめっきり少なくなりました。蛇には報恩の志があるといいます。ですから、へびを見かけたときには、意地悪をせず、そっと見過ごしあげ、またもしも、イヌさんやネコさんに襲われていた場合は、助けてあげてくださいね。

 

これ以上は、蛇足になりましょうから、このあたりで御仕舞にします。御後が宜しいようで。銀紙の巳さまのご登場です。