本年の冬至は21日(土)です。お勤めしているお寺では、冬至の日に、氏名と年齢を浄書した星供のお札をおまつりして、星供養を行います。星供のお札には「諸宿曜等 皆来擁護」、「家内安全 開運除災」と印刷されています。
星供養は当年星(とうねんじょう。七曜九執 ひちよう・くしゅう)をもとに祈願をします。当年星は、あけて(数え年)の、あたり星のことをいい、毎年変わり、9年周期で等しくめぐってきます。
以下、星の吉凶については、「密教と吉凶―密教における占いの世界―」金翅鳥院住職 羽田守快さまによる、第24回愛宕薬師フォーラムでのご講義を基にして記しています。
七曜九執(九曜星、とも)は、羅睺星(らごせい)、土曜星、水曜星、金曜星、日曜星、火曜星、計都星(けいとせい)、月曜星、木曜星をいい、火・土・羅・計に当たるときは十分に注意が必要、日・月・木がいい星で、水と金はまぁまぁ、といいます。
羅睺星の年は、やみくもに動いてにっちもさっちもいかなくなることがあるのですが、9年間の総決算、最初の年でもありますから、今まで頑張ってきた人にはいい年となることもある、といいます。
土曜星の年は何か起こると、ことが大きくなる。ちょっとした事故でも気を付けて、何かあると大げさになることが多い、のだそうです。
火曜星の年は身体を崩しやすい。火曜星の時に病気をすると次の年が計都星ですので、次の年にもまたがるので注意が必要。年内には治らず、2年続きになったり、治ったように見えても再発することになる、ともいいます。
星の吉凶なんて、そんなの迷信でしょ、といわれると、私もなるほどと思ってしまいますが、「星供とは、星の吉凶をよく理解したうえで否定する、それを超えるところに意義があるのだ」と羽田守快さまはおっしゃいます。禍福を支配する天空の星々を供養して、禍福を超えるところに、星供養の本義があるということなのでしょうか。当年星には、それぞれ守り本尊さまがいらっしゃる。それは、土曜(聖観音)、水曜(弥勒)、木曜(薬師)、火曜(虚空蔵)、金曜(阿弥陀)、月曜(勢至)、日曜(千手観音)、計都(釈迦)、羅睺(不動明王)です(「九曜曼荼羅」)。面白いことに、これは十二支それぞれの守り本尊とは違っています。ちなみに、来年私は水曜星ですから、「まあまあ」(言いかえれば、いまいち)の年、でも弥勒菩薩さまが守ってくださいますから大丈夫。干支の守り本尊は、子年の千手観音さまです。
星供養では当年星(七曜九執)以外にも、干支によって配当される本命星(ほんみょうじょう。自分の守り星)、元辰星(がんじんじょう。寿命や福徳を司る星)といわれる北斗七星、そして本命宿(二十八宿)、本命曜(日曜から土曜)、本命宮(十二宮)をお招き、ご供養を通して、皆さま方の「家内安全 開運除災」を、「皆来擁護」をお願いして修しいたします。 合掌
お写真は昨年のものです。辰のお守りが壇上に乗っていますでしょ。