四十八軽戒[6]住不請法(ジュウフショウボウ)戒
【呼称の異同】不供給請法戒、不敬請法戒、供師請法戒、住不正法戒、不供給及不請法戒、不供給請法戒、不得不供給請法戒
【概要】大乗の師や仲間に敬意を表し、必需品があれば施し、説法を願い、彼らを礼拝せよ。
【本文】若じ佛子、大乗の法師・大乗の同学・同見・同行の、僧坊・舍宅、城邑に来入し、もしは百里・千里より来たるを見ば、即ち起ちて来たるを迎へ、去るを送り、礼拝供養すべし。日日(ニチニチ)三時に供養し、日食(ニチジキ)には三両の金(コガネ)と百味の飮食(オンジキ)とをもてし、床座・医薬もて法師に供事(クジ)して、一切の所須(ショシュ)盡くこれを給与(キュウヨ)すべし。常に法師を請(ショウ)じて三時に説法せしめ、日日三時に礼拝して、瞋心(シンシン)と患悩(ゲンノウ)の心を生ぜざれ。法のために身を滅すとも、法を請いて懈(オコタ)らざれ。もし爾らずんば、軽垢罪を犯す。
【諺詮】住不請法(ジュウフショウボウ)戒第六<住して([補]共に過ごして、の意か)法を請ぜざることを戒しむるなり>
菩薩の法師(ホッシ)、あるいは同学等の来たらんに、請じて説法せしめず、瞋恚を起こし、退屈し、あるいは費(ツイヘ)を厭いて供養せざるを制す。[開縁]もしは自身病あると、狂乱と、大聡明(ソウミョウ)多聞有智にして衆生を調伏(ジョウフク)せんがためにして請ぜざると、彼れは劣に我れは勝れたるとは、請ぜざるも犯なし。[通局]七衆、同じく制す。
【現代的解釈例】<他寺の僧侶とのお付き合い>来寺した他寺の僧侶を軽くあしらうことを制する。他寺の僧侶がご法事などで来寺されたときは、十分なおもてなしをするよう心がける。期せずして、学ぶところ、見倣うところを教えられることもある。
また葬儀会場や斎場、あるいは霊園墓地で他寺の僧侶と遭遇(?)する場合も、自分が年上であっても丁寧にあいさつを交わし、正法久住(しょうぼうくじゅう)にかかわる仲間であることの意識を忘れないように。 合掌