今夜は、59歳の男性のお方のお通夜でした。息子さま、娘さまがいらっしゃいます。今年の3月、ウイルスによる脳の感染で、突然意識を失い、ときどき瞼を動かすも、8か月意識がもどらぬまま、亡くなられたとのこと。ご両親、ご親族、そして会社関係のお方もたくさん会葬してくださいました。

 

お通夜の前、家族さまへのあいさつのとき、「自分が亡くなってしまったことに、本人はびっくりしているのではないでしょうか」と奥さまはおっしゃっていました。ことばもありませんでした。

 

私に、いつ死が訪れるのか、心疾患があるので突然となるのか、それとも何か月間入院しての後なのか、自分には分かりません。

 

「生れ生れ生れ生れて生の始めに暗く 死に死に死に死んで死の終わりに冥し」という弘法大師のことばを、近藤尭寛先生は「私たちは生や死について何も知らない」とそのことばを紹介してくださっています。「私たちは、過去にいくどとなく死を経験したことも知らずに、いまを生きているのだ」と理解することもできるようです。

 

出身校・種智院大学のお大師さまです。ネット検査でお久しぶりにお会いできました。

 

  

 

読経を終え、「本日はご会葬のお方がたくさんいらっしゃっておられます。お疲れになりませんように、今夜はできるだけご主人のそばにいてあげてください」とひとこと申し上げ、退席いたしました。 合掌 

 

『くり返し読みたい 空海』監修 近藤尭寛、リベラル社2021(臼井 治さまによる挿絵が本書を飾っています。)