昨晩、ＷＯＷＯＷで放送している湊かなえ原作のドラマ「落日」を最終話前まで一気に観ました。
このドラマは、新進気鋭の女性監督者長谷部香(北川景子さん)が、１５年前に笹塚町で起こった一家殺害事件を映画化したい！と、
笹塚町出身の若き女性脚本家甲斐真尋(吉岡里帆さん)に脚本を依頼する。
その事件は、引きこもりだった男性が、高校生の妹を刺殺。
家に火を放ち、両親も殺害。
死刑判決を受けているその男性が
なぜ妹を殺さなければならなかったのか？
妹はなぜ殺されなければならなかったのか？
調べていく内に、思いもかけぬ事実と人間関係が見えてきて…
最終話はこれからですが、そんな物語です。
湊かなえさんのデビュー作「告白」は本屋大賞を受賞、映画化されて、
アタクシも拝見しましたが、
それはショッキングな内容で
吐きそうになりました(^_^;)
なのに、何度も見なおしてしまう…
湊かなえさんの作品は人間の闇の部分に光を当てて露わにし、描く事でその闇に気づき、手放していくような作品です。
「告白」の他にも
「夜行観覧車」では、憧れの街に家を持ち、生活を始めた家族が
その街に住む人の格差意識や
誰もがうらやむような幸せな隣家の家族の長(父親)が殺害され
その家族は離散…
幸せそうに見えた家族の中に巣くう大きな闇と、それに翻弄される越してきたばかりの家族…
その街に慣れずに壊れていく娘…
杉咲花ちゃんと中川大志くんが初々しかったですね。
「Ｎのために」も強烈でした。
幸せな家族の父親が、
ある日突然、愛人を連れてきて
妻と娘と息子に、
「俺はこれから生きたいように生きる。お前らは出ていけ！」と、家族を無一文で追い出し
追い出された娘(榮倉奈々さん)、弟、母親は、どん底の生活を強いられるも、苦労知らずの母親の浪費癖は直らず…辛酸をなめるような生活を堪えていきます…
やがて娘は自立して家を出ます。
かたやその娘の同級生の家が火事になり、父親が焼死
放火によるものとされたが、誰が火を放ったかは謎…
その同級生(窪田正孝さん)も故郷を離れるのでした…
自立した新生活の中で、
出会った人達との間にまた事件が起こり…
これでもかっ！と人間の闇の部分を描きながらも
人間がもつ慈悲の心、再生していく姿も描かれているのが、
湊かなえさんの作品が人の心をとらえ、映像化されていく所以だと思いました。
アタクシは基本、痛快なのが好きですが…
闇と光が強烈な作品も
好きなのかも知れません。
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