最近マンガ好きの間で話題になっている「図書館の大魔術師」。
その第1巻を読みました。
この作品を一言でいえば、
貧しく本を読みたくても読めないか弱い少年が、知の集大成である書物を命がけで護る司書たちにふれ、自らの運命を切り開く意思を持ち羽ばたこうとする、異世界ファンタジー
です。一言を大きく超えてしまいましたが(汗)。
そして読了直後の今の率直な感想は。。。
久しぶりに心が震える思いがする、すごい漫画が現れた、という感じ。
心が震える。。。
漫画ってすごくいいものだと思います。
興奮する漫画。共感する漫画。大笑いする漫画。いろいろあります。
でも、心が震える、と表現できる漫画はごろごろあるものではありません。
心が震えるためには、それなりの舞台設定や表現力、時代性などいろいろな条件がそろう必要があると思います。
この漫画は、それらをいとも簡単に僕らに見せつけ、あっというまに話に引き込み、いきなり僕らの感情を揺さぶってくるのです。
作者のストーリーテラーとしての技量は、漫画の中の様々なところで存分に発揮されています。
まずはその表紙。
絵が美しい。
絵が美しいこと自体は、必ずしも優れた漫画の必要条件ではないでしょう。
絵が下手でも面白い漫画はたくさんあります。
たとえば「進撃の巨人」の絵は、お世辞にも美しいとは言えません(i進撃の巨人ファンの人、すみません!私もファンです!)。
進撃の巨人の圧倒的な世界観の前には、それだけでも十分に読者を引き込みます。
でも、「図書館の大魔術師」の表紙には、マンガの域を超える美しさがあります。これだけで、引き込まれます。
ページを開いてからも、圧倒的な美しさに目を奪われます。
それだけで、十分に読む価値あり。
次に、一気に読者を引き込む舞台設定。
こどもをせつなく不憫な立場に置くことで、読者のこころをぐっと締め付けます。
そして、この締め付けから一気に物語を展開させ読者のストレスを解放させることで、読者の中に絶対的な快楽物質を放出させます。
ストレス解放までの間、私たち読者は、登場人物の悲しい状態に切なくなり、油断すると、まだ1巻なのに涙すらしてしまいかねません(私は1話目から少し泣いてしまいました。。。)
くわえて、現実とファンタジーのバランスが絶妙。
冒頭からラクダが登場するなど、舞台がアラブなのかと感じさせ、また中央図書館があたかもエジプトのアレクサンドリア大図書館かと思わせるなど、現実との接点を作っています。
一方で、魔術が登場したり、一角獣のような空想上の動物、あるいはエルフかと思わせるような長耳の人が登場するなど、ファンタジー色もあります。
こういったところが、絵空事でもなく、かといって歴史ものでもなく、大人が読むにもちょうどいいファンタジー感がでています。
そして、極めつけは何といっても、主人公のかわいらしさ。まっすぐさ。大人が忘れてしまいがちな素直な誠実さをもっていること。
ここに読者の主人公に対する、我が子に対する情にも似た、きゅんとしてしまうような愛着を感じる要素があるのです。
この物語は、今始まったばかり。でも、1巻にして、壮大にして魂を揺さぶるような名作になる予感をさせる風格を感じます。
子を持つ親として、ぜひとも子供にも共感してほしいとおもう、そんな素敵な漫画です。
きっと巻数が二けたになります。読むなら、電子書籍がおススメです。
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無料立ち読みの方法をまとめてありますので、こちらの記事も参考にしてください。