こんにちは。
まごのて整体院の馬籠です。
今回は姿勢制御のメカニズムについてお話しします。
やや専門的なのでわかりづらい方は最後のまとめだけでも読んでみてください。
○姿勢制御とは
日常生活の中で朝ベッドから起きて立つ、ドアを開閉する、階段を昇り降りする、歩くなど様々な場面で適切な姿勢をとっています。
これを姿勢制御と言います。
姿勢制御はバランスが崩れた時に立て直すだけでなく、不安定さを回避するようになっています。
つまりほとんどの行動は予測的に行われ、予測性の制御によって成り立っています。
ただし予測とは違う状況になったり準備ができていないと外乱刺激が生じて転倒してしまいそうになるので種々の姿勢応答が働いて転倒を回避します。
○姿勢制御のメカニズム
今回は静止姿勢と外乱刺激に対する姿勢制御についてみていきます。
・静止姿勢の制御
静止立位において常時重心が動揺しており、姿勢筋により微調整が行われているが姿勢を維持するための要素として身体のアライメント(骨などの位置)と筋緊張、抗重力活動に伴う姿勢緊張、自己調節機能などがあります。
立位保持のための抗重力筋のうち頸部筋、脊柱起立筋、大腿二頭筋、ヒラメ筋は主要姿勢筋と言われ、姿勢動揺の微調整に重要な役割を持っています。
立位姿勢に限らず座位などの姿勢を維持するには適切なアライメントが確保されていることが必要であり、関節可動域や骨の変形などは姿勢制御のための基本的な問題となります。
筋緊張や姿勢緊張および自己調節機能などは特に中枢神経疾患において多く言われています。
・外乱刺激に対する姿勢制御
立位姿勢にて一時的に外乱が加えられた場合の姿勢応答(=ストラテジー)はその外乱の大きさや方向、おかれた状況によって変化します。
床を一時的に前後運動させてどのような姿勢応答になるのかということが専門家によって行われました。
足底全体が床に接している安定した状況下であれば筋応答は足首辺りが最初に反応し、遅れて股関節周りが反応します。
これをアンクルストラテジーと言います。
今度は床面が足底よりも狭くて不安定な状況下では最初に体幹や股関節周りが反応します。
これをヒップストラテジーと言います。
さらにそこから一歩踏み出して姿勢を維持しようとするものをステッピングストラテジーと言います。
日常生活ではこのような備えられた姿勢応答を個人がおかれた状況や刺激の違いにより使い分けをして課題や環境に適応しています。
一方、片麻痺などの病気によってアンクルストラテジーが使えず、ヒップストラテジーやステッピングストラテジーを使って姿勢制御しようとします。
このことから外乱刺激のように外部環境だけでなく内部環境によっても姿勢制御に影響を及ぼすことがわかります。
また同様に高齢者においても足関節の可動域の減少や筋力低下などによって足関節のコントロールが難しくなりヒップストラテジーになりやすくなります。
○まとめ
知って頂きたい事を簡単にまとめると
・関節可動域や変形は姿勢制御において基本的な問題となる
・不安定な状況下で外乱刺激が加わると姿勢応答が身体全体を使ったものになる
・外部環境だけでなく内部環境も姿勢制御する上で大きな影響を及ぼす
・普段から可動域や筋力を維持する事で姿勢応答の幅が広がり結果安定性向上につながる
姿勢制御ができないと転倒につながるので不安がある方は意識してみてください。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
まごのて整体院 馬籠賢也