素晴らしい一夜だった。
レコーディングアーティストに、一地方で活動するアーティスト、はたまた初めてステージに立つ者もいたかもしれない。
一人の男がいる。名はAとしよう。
Aはその日一つの目標を成し遂げた。
傍から見たらどう見えたかわからないが、彼はその目標と引き換えにとてつもない緊張と、苦汁を得る事になった。
しかし、それはAを次の段階に進む為の必要な事だったのかもしれない。
出番を終えた彼に「一つの段落が終わっただけだよ。」と洒落た励ましをしてみた。
次、またこの様な機会があるならば、彼は私や彼を応援してくれた皆が予想すら出来ない壁を乗り越えている筈だ。
事実は小説よりも奇だが、小説を事実とダブらせるのも悪くはないだろう。