にきび・にきび跡の種類

正常な肌の状態

皮膚は、表面から表皮・真皮・皮下組織といった層に分かれています。

そのうち表皮部分では新陳代謝(ターンオーバー)を繰り返しており、常に皮膚が新しく生まれ変わっています。

また、1つ1つの毛穴には皮脂腺があり、ここで皮脂が作られ、表面に放出されることで肌を弱酸性にし、細菌繁殖を防ぎ、保湿しています。

ホルモンのバランスが崩れたり、ストレスがたまったり、洗顔を怠ったりすると、角質層の代謝の働きが正常に行われなくなってしまいます。

面疱(めんほう):白にきび

角質層の代謝の働きが正常に行われないと、角質層が厚くなり毛穴が塞がってしまいます。

皮脂が外に出る事が出来ない状態が続くと毛穴の中に皮脂が溜まり「にきび」と呼ばれる状態になります。

その際、毛穴が閉じて溜まった皮脂が盛り上がり、ぽつぽつとした膨らみとして出てくるのが白にきびです。

面疱(めんほう):黒にきび

角質層の代謝の働きが正常に行われず、皮脂が外に出る事が出来ない状態が続き、毛穴の中に皮脂が溜まると「にきび」になります。

その際、毛穴が開いて小さなクレーターのようになり、そこに溜まった皮脂やアカが黒く見えるのが黒にきびです。

丘疹(きゅうしん):赤にきび

毛穴の中には、皮脂だけではなくアクネ桿菌(にきび菌)という細菌が常時潜んでいます。初期段階でできたにきびが悪化するとこれらの細菌が繁殖して炎症が起こります。

毛穴部分が皮脂に押し上げられて膨らみ、白い芯のようなものが見える場合もあります。

このように赤く腫れて盛り上がった状態になったものが赤にきびです。

膿疱(のうほう):膿にきび

アクネ桿菌(にきび菌)は酵素を作り出すため、毛穴に溜まった皮脂やアカを酸化させる作用があります。赤にきびの状態から酸化が進むと炎症が更に悪化して膿を持ち始めます。

外に出られずに毛穴の中に閉じ込められた皮脂や膿は周囲の組織にも及び、真皮層や皮下組織にもダメージを与えます。

この状態では表面の赤みが増して膿が中心部に浮き上がって見えてきます。

このように膿んで熱を帯び、痛みを感じるにきびが膿みにきびです。

ニキビ跡:色素沈着

赤にきびや膿にきびなどの炎症を伴うにきびができた際、表皮の最下層にあるメラノサイト(シミの元となるメラニンを作る細胞)の活動が活発化し、メラニンを生成することでほかの細胞へのダメージを軽減させる働きをします。

正常な肌の状態ではメラニンは分解・排出されますが、にきびができた後の代謝機能が弱まった状態ではうまく排出されなくなり、赤みや茶色み(シミ)だけが皮膚表面に残ってしまいます。

このような状態を色素沈着といいます。

ニキビ跡:クレーター

炎症を伴うにきびができた際、その部分の皮膚組織が破壊されて真皮層や皮下組織まで傷ついてしまうと、炎症がおさまって皮膚組織が収縮した際に皮膚表面が陥没してしまうことがあります。

にきびの初期段階(白にきびや黒にきび)で完治すれば陥没まで及ぶことはありませんが、悪化した後に陥没した場合の自然治癒は難しく、一生残ってしまうこともあります。

このように皮膚表面に凹みが残ってしまった状態をクレーター状のにきび跡といいます。





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