リリックラボのミーティング2 ~仮歌詞コンペ公開添削~ | 伊藤涼の音楽

リリックラボのミーティング2 ~仮歌詞コンペ公開添削~

 ラボミーティングの後半戦は仮詞コンペ公開添削。

 仮詞というのは作曲家がコンペに提出するためのデモ音源に仮歌を入れるための詞、もちろん楽曲が採用になった時には仮詞がそのまま採用されることもある。またCWFメンバーとラボで仮詞コンペをする場合は、詞が採用にならなくても仮詞が入ったデモ音源ができた時点で作詞家もコーライトインしていることになっている。詞が採用されなくても作詞家は作曲分の印税をコーライティングメンバーと等分割で受け取ることができるしで詞が採用されたときには詞も含めた印税をコーライターと等分割で受け取ることになる。その仮詞をコンペで決めるというのが仮詞コンペで、今回はオレとCWFメンバーでコーライトをしている楽曲を仮詞コンペにして、それを公開添削するという趣旨。

 歌詞をその場で詞を見てすぐに添削するというのは過去にもやったことがあるんだけど、実はこれ、かなり難しい。というのも楽曲の公開添削はデモを聴いて良くないところを指摘して改善策を提案する。オレの場合だとDAWのテクニカルなこと以外ならなんでも来い、イントロが長すぎるとか、メロディにストーリー性を感じないとか、歌のボリュームが小さいとか、ターゲットにあっていないとか。ディレクター時代もやってきたことだし、山口ゼミ・CWFでもずっとやっているからもう完全に職人の域だと自分でも思う。しかし歌詞となると、音源を聴きながら歌詞を理解するというところで、デモ音源を聴くだけと比べても2ステップくらい難度が高い。そして歌詞というのはメロディに乗っている言葉で、その2つの折り合いがあってこその良し悪し、どんなに言葉がよくてもメロディに乗っていなければ意味がない。これでまた1ステップアップ。誰もが歌詞を見て好きか嫌いかをいえるもの、だけどそれがどうしてかを言葉にするのはなかなかできない。今回の参加者は16人。2時間弱の公開添削だから、音源を聞いて歌詞を確認してコメントする時間は1作品対して7分くらい。どうせこの後は打ち上げがあるので、無駄話は無しにして早速取り掛かる。

 2分ほどの音源を聴く、それに対してコメントするをひたすら繰り返す。フワリや音触りに関してはもちろん、構成やストーリー、ターゲット、言葉選び、表記、コンペシートの捉え方、そしてディレクターがどういうことを考えているか。テクニカルなことからコンペの戦い方、イメージすることの大切さまで。16作品を通してオレが伝えられることをなるべく多く伝えたつもり。2時間しゃべりっぱなし、頭もフル回転で、終わったときは頭痛w

 その後の打ち上げ、DAW講座の講師をしてくれた安楽(CWF)も参加してイタリアンバルでピザをつまみながらワイン。リラックス、楽しく交流しながら公開添削でできなかった質疑応答をする。そして今回の仮詞コンペの発表!ド頭からインパクトのある言葉があって、サビは繰り返えされた言葉が印象的だった作品を選んだ。楽曲コンペの提出まで時間がないので、ブラッシュアップはこっちでやることにしたけど、なかなか良い楽曲にしあがった。

 こんな感じの8時間にわたるラボミーティングが終わった。みんな新たな課題を胸に、だけど晴れやかな顔で帰って行った。次は半年後かな。