詩「目の前にいてもいなくても」
ほんの1メートルにも満たない距離にいる
誰かの心は
遥か遠方に追いやられているようで
見えず
今
ここにいないあの人のこころは
わたしのこころにふれて
とってもあたたか
こころに手がとどく人のことは
ほんの一言で 言い表せそうなのに
見えない心の人のことは
嘘を嘘で上塗りするように
多くの言葉を要してしまう
こころにキョリがなければ
ことばに偽りなく
こころの通じ合う関係は
実にシンプルで好い
いいえ、本当は大好きで心が分かる人のことほど、言葉では言い尽くせないものです。
でも、今の世を見ていると、言葉数が多すぎると感じることがある。
それは余りにも軽率で軽薄で真実味のない言葉の数々です。
真実が常に一つ、というわけではないですが、本物って結構シンプルだなって思うことがあります。
だから、今、その人がどう感じ、どう思っているのかということも、普段からちゃんとその人の気持ちに向き合っていれば、あれこれ説明することなく、ただシンプルに共感してあげられるのではないかって思うのです。