頼むから、「旅」を「悪」にしないで | Going my way

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いつまでも、俺らしくあるために

一部報道で、長期連休の間の沖縄便の予約が約5万席あるとの記事を見ました。

 

単純に考えて、25,000人近い方が往復するということになります。

単純に考えて、少なくとも130本くらいの飛行機が「三密」状態で、片道3時間程度缶詰にされるわけです。

機内は気圧調整もあって、空気は5分くらいで入れ替わるようになってますが、そうは言っても。

 

単純に考えましょう。

飛行機のなかは、乾燥します。

いくらマスクしようとも、喉は乾きます。

カラ咳で、なにもないにしても、それだけで周りに白目を向けられるの、窮屈じゃないですか。

毎日、会社に行くときのあの感じ、休みの日まで味わいたいですか。

 

沖縄本島に行く方。

那覇空港についてからの手段は、地元の方でない限り、レンタカーかモノレールですよね。

レンタカー営業所までは、よくてもハイエースの7,8人乗れるやつで、そのなかでもレンタカー屋のスタッフ以外の「他人」には接してしまうわけです。

モノレール乗られる方、2,3両のせまい車内です。きっと、ここ数か月の通勤電車より混んでます。子供はこの時期に押しつぶされる目に遭います。

 

都市部のように、モノは揃っていません。

国際通りも、以前から人気のある店は、ちゃんと閉まっているでしょう。

空いてるとしたら、観光客狙いでここ数年で開けた、周りよりも少し「高値」でモノを売ってるような店でしょう。

ちゃんとした日本人がほとんどいなくて、「これ、明らかに中国人じゃない?」みたいな感じの店員が多い店でしょう。

ほんとの「コミュニケーション」は楽しめる可能性、低いと思いますよ。

 

一番怖いのは、ここです。

ほとんどの方は、リゾートホテルに泊まるでしょう。

いくら部屋でゆっくりしようとも、それなりに大きいので施設内にスタッフの方含めて、数百人はいる状態になるわけです。

最悪のこと考えて。客船のフェリー状態になったら、どうします?

下手したら、1か月くらい部屋に隔離される運命に遭いますよ。

そのせいで、お気に入りのホテルが閉鎖されて、挙句の果てに「営業してたから、こんなことになった」と地元の方から非難轟々ともなれば、なくなってしまったら、どうしますか。

あなたの「くつろげる」「楽にできる」、その場所が失われてしまうんですよ。


 

旅行業界にいた人間からしたら、この状況、非常につらいです。

会社の終わりを見た身です。

正直、地震やら台風やら、最近の気候でさえ結構邪魔されてるのに、見えない敵がやってきたら、余計に太刀打ちできなくなります。

いくつかの旅館、ホテルが閉鎖し始めてきて、これからもっと閉鎖される施設が増えるでしょう。

業界関係者も含めて反省点かもしれませんが、あまりに「インバウンド」に頼りすぎたツケが回ってきたのでしょう。

身内を大事にせず、余所者にばかり目を配ってしまったせいで、ほんとに大事な客を見失ったせいでしょう。

 

なくなってほしくないものは、たくさんある。

その「失いたくない」ものを守るために、みんな「我慢」という選択肢をとっているのです。

「旅」することは、常に楽しいものであってほしい。

時に思わぬトラブルに出くわしてしまう方もいるけれど、それを「土産話」にできるように、関係者はみんな努力しています。

でも今回ばかりは、そうもできなくなる可能性が高いです。

 

県知事さんが、「来ても、観光できないよ」と言ってますが、本音は「来てくれるな」です。

それは、あちこちの知事さんが言ってるのと同様のことです。

どこかで、「ウチは安全だから、疎開にどうぞ」と言ってたところとは違います。(だいぶ害を被ってますが。後悔してるでしょう)

 

 

時間さえできれば、その使おうとしてた費用を回せば、いくらでも、そこへ旅することはできます。

「どうしても、今回でないといけない」と言う人も、少なからずいるかもしれません。

でも、「命」より優先することでしょうか。

別にあなただけが苦しくて、死ぬぶんには構いませんが、それでも「影響」は少なからずあります。

でもこればかりは、あなたの家族、親戚、友人、学校や仕事の関係者だけで収まりません。

あなたの知らない「第三者」まで巻き込む可能性があるということを、重々認識してほしい。

飛行機の隣に座っていた見知らぬ人の知人が、「あなたのせいで、私の大事な人が死んだ」とでも言われたら、どうする?

「俺、知らないよ」では済まされません。

飛行機の記録は、安全管理上も含め全部取られてます。あなたが感染者と知られてしまったら、そう言われかねません。

自殺するしか手段がないくらいに追い詰められる可能性も否定できない。

 

「旅」を愛する一人として、その行為を「悪」にはしたくない。

遠くへ遊びに行こうとしてること、それ自体が、今ばかりはとんでもない「責任」を背負っているということを認識してくれ。

どこかへ遊びに行くこと、それ自体が「悪」とされてしまったら、日常は再び訪れても、欲する「非日常」が訪れなくなる可能性が大きいということを分かってほしい。

 

「旅することは、常に楽しいものであってほしい」

だから、今ばかりは我慢して。

普通になったら、いくらでも羽伸ばせばいい。

今回使わなかった費用だけ、長く滞在すればいい。一つ上のランクのホテルに泊まればいい。予算オーバーで入れられなかった、そのアクティビティを追加すればいい。

そのぶんだけ、より中身の濃いものにすればいい。

本当の意味での「貢献」って、そういうことを言うんです。

 

今や、個人で飛行機取る分には、マイレージ会員になれば1年先まで予約は取れます。

ホテルも半年先、祭りなどイベント事の場所では、来年の分も受け付けてたりするところもあります。

パッケージツアーだって、10月分くらいまでは売ってます。(そりゃ、安いのを欲せば直近のほうが安い可能性もあるけど)

 

今の予約を取り消して、次の予約取るだけでも、生き残れる箇所はたくさんあります。

今回ばかりは、融通利かせてくれるとこがほとんどのはずです。(利かせてくれないようなところは、逆に通報してほしいし、使わないでいただきたい)

 

 

あなたの欲してる、本当の時間、それを「悪」にしないでほしい。