さーちゃんが亡くなる半年前、2022年8月。

この頃は腫瘍マーカーも下がっていた。

副作用の歯肉炎が治らず、抗がん剤はお休みしていたから体調も良かった。


ステロイドの副作用のムーンフェイスもあと少しで元の顔に戻りそうな闘病中で1番元気な時期だった。



お友達とのLINEにも「夏までは調子が良かった」とメッセージしてあった。

K君のお休みの日に江ノ島水族館へ遊びに行った。

🐟🐠🐡🦭🐬を見て、お土産を買って、帰りにしゃぶしゃぶ食べ放題にも行った。

楽しい一日だったなぁ〜。

半年後、亡くなる前日にさーちゃんの希望で介護タクシーでドライブに行った。

行き先は江ノ島。

家を出る時はぐったりしていたのに、海が見えてから元気に会話して、江ノ島についたらアイスを食べた。

江ノ島大橋を渡ると、その時のさーちゃんとの会話が次々に浮かんできた。

介護タクシーが停車していた場所に着いた。

自然と涙が出てくる。
あの時、外に出て風にあたりたかったさーちゃん。
介護タクシーの次の予約時間が迫っていたから、車椅子を♿️おろす事は出来なかった。

左眼は見えなくなっていたから片目だけで海が見えていたのかな?

江ノ島の車内で訪問看護師Kさんに「今まで、ありがとうございました。」と挨拶したさーちゃん。

一日一日をどんな思いで過ごしていたのだろう。
我慢強いさーちゃんは、一人で死に対する孤独感や恐怖心と戦っていたのか・・・

さーちゃんとの思い出の場所に行く事で、自分の中の弱さを乗り越えたかった。

この前はさーちゃんが一年だけ暮らしたマンションの前を通る事が出来た。

だけど、さーちゃんが新婚生活を過ごしたマンションが電車から見えた時は涙が溢れてダメだった。

江ノ島からの帰りは泣かないで大橋を歩けた。

18年前に交通事故で突然息子さんを亡くされた友人がいます。

娘の話をしながら泣いてしまう私にこう言われた。

「まだ一年しか経っていないのよ。さーちゃんがいない生活に慣れるのに10年かかると思った方が良いわ。

そして子どもを亡くした悲しみはずっとあるの。泣いて良いのよ。

私も主人も息子の事を考えるといつでも泣けるわ。」


朝元気に出勤し、飲酒運動の車に正面衝突されて即死だった息子さん。

息子さんが事故に遭った道路を通れるようになるまで数年かかったそうです。

息子さんの歳を聞いたら、さーちゃんと同じ歳だったから、私達はまた泣いてしまった。


でもそれで良いのだと思う。


ゆっくりゆっくりさーちゃんの居ない現実と向き合いながら、前に進もう。

悲しいのは当たり前だし、突然さーちゃんが恋しくて涙が出ちゃうのも自然な事。
そんな時もあるさ!と受け入れたら、少しは気持ちが楽になった。

来年は🌸お花見や🍓狩りに行ってみようかな。