さーちゃんの下には弟A君がいた。

A君の次に次女Bちゃんが生まれた時、さーちゃんは4歳だった。

妹が生まれた事をとても喜んでいた。

数年経ち、さーちゃんがこんな事を言ってきた。


👧「私には妹がいるから、今度はA君に弟を産んであげて!
Bちゃんは頭がレモン🍋ちゃんだから、頭の丸い男の赤ちゃんが良いな!」

Bちゃんの頭は小さくて、言われてみればレモン型をしていた。

さーちゃんは赤ちゃんだったBちゃんに「Bちゃんは頭がレモン🍋ちゃん❣️」と良く話しかけていた。

面白い事を言うさーちゃんに、おばあちゃんや周りの大人達は微笑ましく見ていた。

さーちゃんもA君も「赤ちゃん返り」はしなかったから、3人育児はそんなに大変だと思わなかった。

もともと私は子どもは4人欲しかったから、さーちゃんのリクエストのように次は男の子がいいなぁ〜と思っていた。

4人目は初期に流産してしまった。
はじめての流産に「子どもが無事に産まれるのは当たり前じゃない。」

そう思うと目の前にいる3人の子ども達が愛おしかった。

数ヶ月後さーちゃんが6歳の時、小学入学式の少し前に今度は無事に出産した。


さーちゃんのリクエスト通り【頭の丸い男の赤ちゃん】次男C君が誕生した。

Bちゃんも【赤ちゃん返り】はなかった。

さーちゃんとA君は下の子を良く可愛がってくれた。

さーちゃんが学校に行っている間はA君がC君を独り占めにするので、Bちゃんが「A君!私もC君を抱っこしたい〜」と、取り合いをしていた。

学校から帰って来たさーちゃんは手を洗うとC君の世話をよくしてくれたが、だんだんと役割分担されるようになっていた。

さーちゃん→ママのお手伝い
A君→BちゃんC君の遊び相手

この流れが定着していた。

私が寝込んだりした時の事を想定して、子ども達だけでも家事が出来るように躾ていた。

火を使わず電磁調理器と電子レンジで一汁一菜が作ればご飯は炊飯器が炊いてくれる。
何かあった時におばあちゃんたちが手伝いに来てくれるだろうけど、直ぐには来られない。

3日間だけ子ども達で家事が出来れば、とりあえず何とかなるだろうと思っていた。

学校が休みの日に、子ども達だけで食事の支度の練習をした。

その時のメニューは今でも覚えている。

・麦ご飯
・みそ汁(電磁調理器)
 じゃがいも玉ねぎ
・海老のピカタ(電子レンジ)

さーちゃんとA君は案外楽しそうに作っていた。