2023.02.11 (土)

亡くなった2日目、さーちゃんの祖母(私の母)が姉に連れられて来てくれた。

まだ介護ベッドに寝ている孫娘。
「さーちゃん。私より先に逝くなんて・・・ずっと髪の手入れしてもらったね。ありがとう」泣いていた。

気丈な母はさーちゃんの腰の痛みがなかなか治らないから、何かよくない病気なのではないか?と気にしていたが、それを私達に聞いてくる事はなかった。

「何かあれば連絡してくるだろう。自分が行っても気を遣わせるだけだから」とずっと見守ってくれていた。

それは有難い事だった。
娘の看病と孫の世話に専念したい時に、もし電話で病気の事をあれこれ聞かれたら、私は別のストレスを抱えていたと思う。

私は母が来た時に初めて声を上げて泣いた。
家族の前で号泣したのはこの時だけだった。
87歳の高齢の母に心配かけないように、ずっと病気を隠していたのは辛かった。

娘の看病が終わった事は悲しかった。
60歳を過ぎた自分が、母の前で泣いたのは、私も母に対して娘としての甘えだったのかもしれない。

母は

「さーちゃんの事も心配だったけど、私は貴方の体が心配だったのよ。」と泣きながら私の背中をさすってくれた。



後は会話にならなかった。

思えば私が子育て中に実家に帰ると、いつも背中をマッサージしてくれた母。

それが気持ち良くて疲れが取れた事があったから、私もさーちゃんの背中をマッサージできていたのかもしれない。

👩「おばあちゃんの髪はクセがあって大変だから、早く治ってパーマしてあげるんだ!」



叶わなかった思い。

専属美容師の孫娘が亡くなり、祖母の髪は伸びたままだった。

その髪の長さが、さーちゃんの闘病の長さだった。