葬儀社が決まり家族葬にする事にした。

娘は木曜日に亡くなって、葬儀は翌週の金曜日に決まった。

コロナの影響で1週間待ちになった。

葬儀社の担当の方は娘と同年代の方と娘より若い方でお2人とも女性だった。

夜中にも関わらずドライアイスを届けにこられた。

娘は亡くなった後に訪問看護師KさんとSさんに着替えさせていただいた。

葬儀社の方に頼まれた事。

「ご葬儀まで日にちがありますので、お顔や手が乾燥しないように保湿をしていただきます。生きている方よりもお手入れしてくださいね。


ドライアイスを使いますが、出来れば暖房は入れないでください」

この2点を頼まれた。

この翌日は寒い雪の日だった。


娘の顔に保湿パックやクリームなど、妹達と一緒に毎日お手入れをした。


亡くなった人にこんなに触れる事は初めてだった。

手の爪にはネイルをした。

ピンク色で少しラメが入っている可愛いネイル。


さーちゃんに良く似合っていた。



亡くなった直後から顔がどんどん変わって、元気な時の顔に戻って行った。


葬儀まで日があるので、お友達が最後のお別れに来てくださった。

来客の予定が無い日、誰もいない家に娘と2人だけの時間を過ごした。


ベットに横たわる娘は眠っているようだった。

色んな話をさーちゃんに語りかけたり、手をさすったり、ゆっくりお別れが出来た。

斎場に連れて行った日、家族葬でも可愛い飾り付けで送りたいと、ケイ君と末息子が祭壇飾りをしてくれた。



ロフトにあったさーちゃんの書を長男が見つけて、それも祭壇の横に飾った。



【後悔しない人生を】



葬儀に来た87歳の私の母がこれを見て

「さーちゃんは癌になったけど、後悔しない人生を送ったのよ。

私もさーちゃんを見習って後悔しないように生きて行くわ」

そう言っていた。


葬儀が終わり、娘が遺骨になってリビングに帰ってきた。


お帰り。さーちゃん


納骨の日まで一緒に過ごした。