重陽については昨年の手記でも説明をしたから、
今回は説明を省くよ。
どんなものだったか、または起源が何だったのかを
知りたかったら、昨年の記事を読んでみたまえ。
その記事は此方だよ。
余談になるが、唐ではこの日に高い場所へ登ると幸運が訪れるという
ことから、山登りをする人もいるそうだ。
おそらくそれは昨年書いた物の中にある、漢の時代の話に
まつわるものだと思うがね。
今年は春には地震、夏には水害続きだから、
厄除けを念入りにした方が良いかもしれないな。
無論、重陽の節句には長寿も祝う意味はあるが、
君の世界では長寿を祝う祝日が存在しているのだから
それはその日でも良いと思うよ。
一般的に重陽は菊の節句とも言われるけれど、
栗の節句とも言われている。
菊花を食べたり菊酒を飲む習慣がない人には、
栗飯の方が口にしやすいかもしれないね。
被綿はあまり馴染みがないかもしれないが、
茄子なら神子殿も手に入りやすいだろう。
長月の九日に茄子を食べると、中風になりにくいというから
夕餉に何を作るか困っていたら、茄子を食べるといい。
(中風は下半身や手足の麻痺が残る、脳卒中みたいなものだよ)
もちろん私は菊酒の方が良いがね。
十五夜には早いが、もう少しして月が出たら月見酒といこうか。
神子殿、お相手をしてくれるかい?