華紡ぎ -恋絵巻-

華紡ぎ -恋絵巻-

恋の迷い道も二人ならば怖くはないだろう?

ちがやの綿がほぐれるこの時期に

吹く風を茅花流しと言う。

 

 

杉や檜の花粉に悩まされる方も多いと思うが、

今の季節はこういったイネ科の植物に

過剰な免疫反応を引き起こす人も少なくないようだ。

 

昔に比べて人間が敏感になったのか、

植物がたくましくなったのか、果たしてどちらだろう。

 

 

そろそろ皐月も終わりを迎え、

早くも梅雨入りをした所もあるようだが、

長雨は想像するだけで気鬱になるね。

何か一つくらい、梅雨の利点はないものだろうか。

 

 

雨が多くなる前に、鮮やかな新緑を見たくなってね。

京から大和路へ足を延ばしてきたのだよ。

 

 

若草山の緑と空の色が眩しく感じる。

 

 

 

・春日大社の中門と大杉

 

 

 

 

・回廊

 

 

 

・幣殿・舞殿

 

 

 

東側二間は御弊物一旦納める場所で、

西側の三間は神楽等を奉納する舞殿だね。

 

 

藤は卯月から咲いていたようだから、

私が行った時は砂ずりの藤は終わっていて、

他の藤も見頃を過ぎていたよ。

 

・野田藤(白)

 

 

 

 

・薊

 

 

 

 

あとはそのまま下りてきたのだが、

前回大和路へ出かけた時に東大寺は立ち寄ったものの、

雨で興福寺はあまり回れなかったので、

今回は興福寺から。

 

 

・興福寺 五重塔

 

 

 

 

・南円堂

 

 

 

 

・中金堂

 

 

 

 

・東大寺 大仏殿の東側から鐘楼まで続く階段

(坂名 猫段)

 

 

 

 

 

他に散策の途中で天平衣装が
飾られているのを偶々目にしたのだが……





神子殿がこの衣装を召したら、
本物の天女に見えてしまうだろう

戸惑う男が続出するに違いない。
その姿を私にも披露してはもらえまいか。



その後、京へ戻り木津の辺りで見た桐花。

 

 

 

 

桐は上品で高尚な印象を持つが、それもその筈。

この花は鳳凰が止まる木だと言われているからね。

 

 

・ゆすらうめの実

 

 

 

 

こういった赤く熟した実どころか、

栗鼠はまだ青い柿なども食べてしまう。

存外食いしん坊なのだね。

 

どんな味がするのか興味があるかい?

爽やかな酸味と甘さが癖になると思うよ。

ただし食べすぎるとお腹を壊すから、

食す機会があったら程々に。

 

 

・深泥池の杜若

 

 

 

 

白い花というのはやはり清楚で良いね。

 

 

 

次は秋の景色をお目にかけれたらと思っているよ。

 

「それまで手記を書かないつもりなんですか?」

と言われてしまいそうな気もするけれど、

とりあえずそうならないように

「善処するよ」と言っておこうかな。