■クルーズ船のデッキで太極拳を。
シリコンバレーのベンチャーキャピタリストで、
特にインド人ベンチャーを支援していることでも知られる平強氏が主催する合宿へは、
参加何度目になるでしょうか。
ハワイでの禅寺合宿にはじまり、
秩父での禅寺合宿、
そして最近では、
湯河原で中健次郎先生の気功合宿に参加させていただき、
この合宿は今年で2度目になりました。
日頃、現実的な対処療法的生き方ばかりしていると、
自覚以上にストレスが溜まっているのだと思います。
大学でも確かに学びました。
メンタルとフィジカルを分けて考えるのは西洋医学。
元々日本では、丹田に気が宿り、風邪を引きそうになったら気合を入れるとか、
火を踏んで精神の修練を積むということがありました。
この春の合宿でも、
体重をゆだねて前屈し、
節々の痛みが苦痛になれども、
その痛みがあることを静かに感じ、
痛さにフォーカスして更に負荷をかけつづけるという課題がありました。
痛いからやめる、
痛いから薬を飲む、
痛いから、、、、
というのではなくて、
痛いことを感じながら、そしてまた居続けるという課題。
大変新鮮なアクティビティでした。
合宿の中で繰り返し、
集中すること、感じること、
普段使わない感性と筋肉を使うことなど、
1年目、1回目では感じられなかったパワーを、
2回目の先日、少しだけですが感じることができました。
そして今回の旅行で、
ハロン湾の洋上での太極拳ほど、
自然の雄大なパワーを身体と精神に取り入れる、感じるということを、
実感できることはありませんでした。
人間の営みは、
嬉しさも喜びも、
愛も悲しみも、
報われないつらさや非条理や、
想像もしえないようなアクシデントに、
古今東西つきまとわれています。
澱のようにタールのようにへばりつく、
負の感情は、
決してリセットするのではなく、
あるものはあるままに、
前屈して悲鳴をあげる関節のように、
甘んじて受け入れて、感じて、
共に生きていく、
そのくらいのキャパシティが必要なのだと思います。
デッキでのこの上ないスピリチュアルな太極拳のあとは、
手漕ぎのボートで岩の近くまで行ったり、
島々の施設を見学したりして過ごしました。
このほんの15分足らずの時間は、
極意に近づいたお坊さんのような、
貴重な体験時間でした。