しろときいろの混ざった光に
包まれて芽を出した
みどりのちいさな、みずみずしい若葉。
この世ではじめて、うぶごえあげて
そっとママのうでに抱かれて、
はじめてみる、うつくしい世界。
若葉は顔を持ち上げ、
光に向かっておおきく伸びをする。
さわやかな風に吹かれて、
てのひらには透明なしずく。
のちに若葉は手を伸ばし、
たくさんの葉をつけて、
ぐんぐん育つ。
濃い緑のいろに染まって、
青葉に変わる。
アオバ、
アオバ。
ほろにがい時を重ねて、
青い姿を黄色く移して、
やがて茶色に首をうなだれ、
土にかえってゆく。
なんのために、この世に生まれ、
何のために、この世に生きて、
枯れてゆくのだろう。
わからないまま終わるなんて、
灰色の雲に隠れて、
太陽に出会えないようなもの。
はやく陽の光をあびて、
大空に両手広げて、
まっすぐに伸びをしよう。