ITストラテジスト試験に向けて勉強をしていたころ、
時事ネタに追いついておくには何を読んでおけばよいのか結構迷いました。
もちろん実施初回の試験ということで正解なんて誰も知りませんし、
前身のアナリスト試験の体験記なんかを参考にするくらい。
数打ちゃ当たるだろう、ってことでいろいろ手を出してみました。

■定番どころ?日経コンピュータ
いくつかのサイトで定番として紹介されていた日経コンピュータ。
自分も勉強だと思い、2号ほど読んでみたのですが・・・。
感想としてはイマイチ。
いろいろな企業の実例でも肝となるところはITとは全く関係ない苦労話だったり、
技術的な内容としては特に目新しいところも感じられなかったり。
もちろんドンピシャな読者層もいると思うのですが、
私にはあまり響きませんでした。

■やっぱりメディアはWEBが最強
紙媒体はタイムラグが生じるのでどうしても新鮮味に欠けるのは仕方がないところ。
WEB媒体で情報を得るのがやはり王道のようです。
即時性も捨てがたいですが、何より情報量が多いため、
編集者のバイアスを極力減らすことが出来るのがWEB媒体のメリットだと信じています。
毎日チェックしていたのは@IT、itmediaあたりでしょうか。
記事の中でも海外企業CEOのインタビューや講演などを重点的にチェックしていました。
自社の技術のウリを話している記事なんかを並べて読んでいると、
どういったことが今課題になっているのかが見えてくるような気がします。
もちろん気がしているだけなのかもしれませんが。

今でもこういったサイトのチェックは続けています。
IPAではITストラテジストに期待する技術水準として5つの項目を挙げています。
情報処理技術者試験制度なのですが、いわゆる「情報処理技術」だけが挙げられているわけではないようです。

業務知識は必須だが・・・
対象となる事業・業務環境の分析を行い、というフレーズが
5つの項目のうち、2つに含まれています。
5つの項目のうちのひとつは組み込みシステムを対象にしたものですので、
期待する技術のうちの半分は事業背景そのものの分析に関するものになります。
ここの事業・業務環境には業務フローなど内部環境だけではなく、
法改正や経済動向など外部環境も含まれるでしょうから、
業界知識を適切に理解していることが前提になるのではないでしょうか。

ただ、業界知識は非常にニッチなものが多く、
実際に働いている人でなければその知識が正しいかどうか判断するのは
困難なのではないでしょうか。
例えば一級河川と二級河川それぞれの所轄の官庁は・・・、なんて
情報管理体制ではとても重要ですが、その内容まで試験官がチェック出来るかというと、
正直疑問に感じています。
(ちなみに一級河川は国土交通省、二級河川は県が管理、というのが原則。
 原則なので例外もあります。)

経営者への通訳

個人的にポイントだと考えているのが「経営者へのフィードバック」。
他の方も感じることが多いと思いますが、
システム開発側と経営側のコミュニケーションは
いたるところで行き違いになる可能性が高いものです。
そもそもシステム開発の仕事の進め方そのものが理解されていない上に
用語も全く知らない経営者、というのは珍しくないでしょう。
おかげで「システム屋の言うことは全くわからん。」なんていう台詞もしばしば。

システム投資を行う際には
経営者にはどういった投資が必要で、そこにはどのようなリスクがあって、
そのリターンとしてこういったことがあります、ということを伝える役目が重要です。
システムが業務の根幹を形成する場合はなおさらでしょう。
システム開発側、経営側、双方の言葉を理解できて伝えられる、というのは
とても重要な役割であり、これをIPAも期待する技術水準として書いているのでしょう。

もちろん経営側に信用してもらえなければ伝えようもないので、
人間的な魅力もとても必要なのかもしれませんが・・・。




映画「アイアンマン2」を見てきました。
主人公トニースタークはアイアンマンスーツの開発者であるとともに、
これを扱うスターク社の経営者。
もちろんアメコミが原作の架空の会社ですが、
今回は敢えてまじめに考察してみたいと思います。

■持続可能なモデルではない
スターク社は軍需産業を生業としています。
映画の中では細かいプロファイルは示されませんが、
アイアンマンスーツがこの会社のキラーコンテンツです。
このスーツの技術だけで業界地図を塗り替えるという設定なのですから
スターク社のビジネスはスーツに依存することになるのでしょう。

このアイアンマンスーツ、トニースタークが開発者であり、
その技術は彼自身しか知り得ない状態にあります。
しかもこのスーツを動かすたびに
スタークの体が傷ついていくのです。

ここで、スターク社が頼るべきスーツを運用していくためには
・スーツの技術
・スターク自身の肉体
がリソースとして挙げられますが、両方ともトニースターク本人に依存状態。
このままではスターク本人がとても大きなリスクになってしまいます。
私が投資家ならまず資金を引き揚げるでしょう。

■誰でもなれるヒーロー?
ではどうすればよいのでしょうか。
まず、アイアンマンスーツの技術が消失してしまうリスクを
分散しておく必要があります。
もちろん情報の分散は漏洩リスクの向上も意味しますから、
かなり運用を考え抜かなければいけませんが、
すくなくともトニー以外の人間がスーツを複製するに足るだけの情報を
取得できるようにしなければいけません。

次に、スタークの肉体を使わなくてもスーツを運用可能に。
純粋に技術的な問題ですし、(実は映画でもこれは触れられるのですが)
解決さえしてしまえばトニーは前線に出る必要もなくなるでしょう。
研究室に閉じこもっていてもかまわないのです。

さあ、これで投資家には魅力たっぷりの新生スターク社が出来ました。
安定して運用される多くのアイアンマン、
技術開発とリソース配分に心を砕くスターク、
とてもROIが高そうです。

・・・・・でもこれではただの軍需産業のお話で
掲載もMARVELではなく日経なんとかになってしまいますね。
ヒーローには合理性を排除した正義感や葛藤が必要なのでしょう。
無粋な考察をしてしまいました。