なぜこのサービスを始めようと思ったか?②
日本語はオノマトペと呼ばれる擬音語や擬態語が多い言語と知っていますか?4,800種類以上あり、多言語の5倍と言われるほど多いそうです。「日本語の擬態語のオノマトペに該当する言葉が外国語にはない」このことは、日本にいると分からなかったですが、海外生活でとてもストレスでした。もちろん英会話の表現力があまりないというの問題もありました。日本語独特のニュアンスを英語で伝えるには相当な英語力が必要ですし、英語力があっても伝わらない日本独自のニュアンスの言葉もたくさんあるなと感じました。日本語はとても特殊な言語です。フィリップ・バグビーの世界九大文明論、マシュー・メルコの五大文明論にも「日本文明は他文明とは共通するものが少なく極めて独自性が高く、それは日本語の特殊性にある」と述べられているそうです。戦後のアメリカ占領下では、ヘボン式ローマ字化を通じた英語の導入の動きはありました。ですが、日本人の識字率の高さと日本語教養力の高さが壁となってGHQも断念。今日日本は二千年来の母語を無事に維持継続しています。私はアメリカでの1年半の生活の中で、性格が変わったと思います。アメリカの「はっきり主張する文化&言語」を経験したからです。嫌なことをビシっと断ったり、主張を強くしてわざと「メンドクサイ人間」を演じトラブルに巻き込まれないようにするなど。アメリカの生活で得たこの武器は私にとって価値がありました。何が言いたいのかというと、言葉を始めとする文化の中で人の性格は変わってしまうということです。日本語がもしGHQ支配下で日本語が廃止され英語を喋る文化になってしまったら、日本人独自の精神性は薄れてしまっていただろうと思います。その一つに、英語で日本語の尊敬語のニュアンスを伝えるのは非常に難しいことも挙げられます。日本には上下関係がありますが、英語圏では対等にものを言い合うシチュエーションの方が多いです。日本語が英語になれば上下関係から発生する尊敬語は無くなります。すると「目上を敬う」という文化も無くなるかもしれません。それほど言葉は精神と密着し、人の性格や生活に影響を与えているということです。日本人独自の精神性はやはり「和」だと思います。和を創り出すために「配慮や気遣い」によって物事を向上させていく歴史があるのだと思います。私のサービスを提供する時も、羽田空港のグランドホステスの方の対応のように、日本人ならではのホスピタリティで人を感動させなければいけないと感じています。どのようにしてそれを実現するかは、私のインタビューにあります。私が行うインタビューでは、記事を書くために必要な情報だけを引き出すようなヒアリングをしないようにしています。インタビューの貴重な時間は、インタビューされる方にとってメリットや価値を感じられ、インタビューされたことによって新しい自分を発見し、更なる活力を得ていただける時間にしたいと思っています。インタビュー対象となる企業経営者さんは常にチャレンジしながら不安と葛藤の毎日かもしれません。そのような経営者さんの経営理念やビジネスの想いを聞かせていただき文字に残すことが小さな励みになるよう、今後も精進していきたいと思います。その③に続く。