▽パ・リーグファーストステージ第1戦結果

西武1-11ロッテ(西武ドーム)

勝:西野

敗:岸

本:

ロッテ/井口1号ソロ(1回、岸)、サブロー1号ソロ(4回、岸)、加藤1号3ラン(9回、増田)

西武/中村1号ソロ(5回、古谷)


継投

ロッテ:古谷、西野、カルロス・ロサ、内、藤岡

西武:岸、大石、高橋、増田、十亀



・寸評
 ロッテが第1戦に大勝。序盤から西武投手陣を打ち崩し、小刻みに加点して試合の流れを渡さなかった。投げては先発古谷は5回途中1失点と試合を作ると、その後は磐石の無失点リレーで西武打線を抑え込み、仕上げは代打起用のルーキー加藤の3ランで試合を決めた。対する西武は先発岸が誤算。後を受けた投手陣も点差を広げられ、8連勝の勢いはどこへやら、本拠地で向かえたCSは黒星スタートとなった。

・解説
 シーズンでは8連勝で締めくくった西武が2位に滑り込み、本拠地でのCS開催を勝ち取った。その勢いからするに、ファーストステージは西武優位と考える人が多かったはず。あまりにも下馬評を覆す結果に驚きを隠せない。なにせ連投を重ねた涌井の出番すらつくれない大敗だからだ。西武が10点差以上つけられて敗れるのは8月22日のロッテ戦以来。5点差以上を調べてみても9月1日以来ということなので、1ヶ月以上経験のない大敗をこの大舞台で喫してしまったことになる。それほどまでに勢いを保ってきた西武に何が起こったのだろうか。

 先発は岸。これは前の試合から中6日ということなのでほぼローテどおりの先発。なおこの試合では8回1失点と快投している。特別ロッテに相性が悪いというわけではなく、今シーズンに関して言えばロッテ戦の登板機会が少ない(2試合)ということだけだった。
やはり大舞台の緊張感がそうさせたのか。

 崩壊の一端はやはり井口の一発だろう。出鼻をくじかれて井口を怖がってしまったことが最後まで響いて失点を重ねてしまった。

 ロッテ側からすれば井口のところでチャンスをつくったことで、得点できたといっても過言ではない試合だったともいえる。

 決め手は継投にもあった。勝ち投手にこだわらなくてもいいポストシーズンであるとはいえ、
5回途中1失点と好投していた古谷をピンチを招いたところで西野に交代させた。ここで期待に応え、完璧な火消しを見せたことで流れを相手に許すことなく勝利を引き寄せた。

 勝利にこだわり、柔軟な起用で西武を退けたロッテ。4日前に大敗した仕返しをまさに大舞台でやっけのけて見せた。3位から日本一を勝ち取るなど短期決戦には無類の強さを見せてきたロッテがこのまま勝ち抜けるのかはたまた西武の勢いが勝るか。