WBC本戦もA組、B組と1次リーグが終わり、いよいよ明日からは舞台を東京ドームに移して2次リーグの戦いが始まる。

一方で、プエルトリコとアメリカで行われるC組、D組も1次リーグの戦い日本時間で明日開幕することになる。

ここでは2次リーグ進出の4チームを総括するとともに、2次リーグの展望をつらつらと書いていくことにする。

日本
5-3 ブラジル
5-2 中国
3-6 キューバ
 
 わが国日本の1次リーグの戦いは各試合について総評したので長くは
書かないが、3試合で13得点を奪っているとはいえ打線は低調といわざるをえない。ここぞの決定機の場面をなかなかものにできない歯がゆさを感じるばかりだ。選手個々の調子も影響しているのだろうが、毎試合打線を組み替えを行うなど試行錯誤が続いている。投手力の面では四球で崩れるような投手が少ないのは大きな魅力ではあるが、ここまでは痛打によって毎試合失点を許しているのが不安材料。

【キューバ】
2-5 ブラジル
12 中国
6-3 日本

 キューバの特筆すべきはやはり打線。下位打線まで気の抜けない破壊力満点のパワーは日本戦でも十二分に感じるところだった。さらに勝利にこだわるメサ監督の感情表現豊かな采配も大きな魅力。投手陣はやや制球に不安を残しているため、早いうちにリードを広げて逃げ切るパターンが得意と思われる。

【台湾】
4-1 オーストラリア
8-3 オランダ
2-3 韓国

 今大会のダークホース的な存在になっている台湾。予選からの登場ながら投打のかみ合った見事な試合運びで優勝候補の韓国を押しのけての2次リーグ進出となった。1次リーグが地元開催だったという追い風もあったが、投手ではメジャー実績の豊富な王健民、打者では日本ハム所属でチームの不動の1番
岱鋼を軸に実力は本物。勢いで2次ラウンドでも旋風を巻き起こすつもりだ。

【オランダ】
5-0 韓国
3-8 台湾
4-1 オーストラリア

 ヨーロッパ最強として名高いオランダ。その武器はやはり実績のある選手がそろう中軸。ヤクルトに在籍して2年連続ホームラン王を獲得したバレンティンと今季より楽天に移籍したメジャー通算434本塁打を誇る大砲ジョーンズが組むクリーンナップは破壊力がある。投手力に関しては台湾に7安打で8失点を喫したようにかなり制球力不足ありそう

▽2次ラウンドの戦い方

 2次ラウンドはダブルエリミネーション方式といって2回負けるまではトーナメントに残れるという方法で行われる。よって同じ組み合わせが発生するようなケース考えられる。

 日程としては
つぎのとおり。

・3月8日
ゲーム① オランダキューバ
ゲーム② 日本-台湾
・3月9日
ゲーム③ ①敗者-②敗者
・3月10日
ゲーム④ ①勝者-②勝者(勝利チームは準決勝進出決定)
月11日
ゲーム⑤ ③勝者-④敗者(勝利チームは準決勝進出決定)
・3月12日
ゲーム⑥ ④勝者-⑤勝者(1位2位決定戦)

 ここでもゲーム⑥は敗戦が進出を左右しないので消化試合のようにもなるが、準決勝の相手が決まるという意味で重要である。

 進出の条件が2敗する前に2勝できればいいということなのだから、総当りの得失点などB組の1次リーグであったようなややこしいことを考えなくてもいい2勝すればよいのだ。

▽日本の戦い方は?

 2勝すればよい。と書いたが、日本にとってはやはりそう甘いものではないことは確かだ。再戦の可能性のあるキューバをはじめ、他の3チームはいずれも打線が好調であるなおかつ場所を東京ドームに移すため、福岡でホームランを放ってきたキューバにとっては狭く思えるくらいではないかろうか。

 しかし初戦の相手の台湾はどちらかといえば日本にスタイルが似ているチームだ。強打というよりも走塁や小技を生かしてチャンスを確実にものにし、ミスにつけこんで得点したりとそつのない攻撃を得意としている。日本としてはまずイニング先頭打者をなにがなんでも抑えたい。無死のランナーを減らせば、おのずと相手の得点パターンは減ってくる。

 打線はとにかく好調な打者をつなげて得点を重ねたい。似ているチームだけに嫌らしい得点パターンがプレッシャーを生んでくるはずだ。点差を広げて細かい野球を封じてしまえば勝機が見える。

 明日は今大会絶好調の能見が先発ぜひとも気持ちのよい快投を期待したいところだ。

 スコアは日本3-1台湾と予想する。王健民に対する打線への期待はもとより、アジアで1番という誇りを投打に見せてもらいたい。