長いことかかる記事を書こうとすると、飽きっぽいので、WBCくらいは真面目に解説していこうと思います。

厳しいことも書くかもしれませんが、温かい目でご覧ください。

さあオーストラリアとの親善試合に苦しみながらも2勝、阪神、巨人との強化試合を経てついにWBC本番の舞台をむかえました。

この試合を通して
打線の調子は波がく、決定的な軸が見つからず。投手陣も結果を残した投手が多い反面、田中、前田健の先発候補が失点するという不安材料も多く見つかったと言えます。なんといっても調整の難しい時期であるということも影響しているのでしょう。加えてキャプテン阿部の膝の調子が心配されるなど、厳しい船出を余儀なくされました。

しかし言ってもA組は日本、キューバ、ブラジル、中国。どう見ても日本とキューバの実力が抜きん出てるのは間違いない。さすがに第1ラウンドは苦戦はしないだろうとの見方が圧倒的だったと思います

さらにブラジル、中国ともに日本球団との強化試合で2敗を喫しており、内容からいっても特に中国の投打のレベルの差は明らかだったと感じました

 
しかし蓋を開けてみるとブラジルに対し5-3の辛勝。8回に3点を奪う打線の奮起を見せてペースをつかんだものの、見るからに打線の不安は解消されず。格下と思われる相手に実力差を見せ付けるどころか後半までリードを奪われる戦いで、3連覇にむけてのスタートはいといわざるを得ないものになりました。

【試合結果

日本 5-3 ブラジル
:摂津 負:ナカオシ S:牧田


 ブラジルの先発フェルナンデスはほぼ8割方直球で投球を組み立てており、ボールに慣れていないのか制球力もイマイチ。早いうちに崩さなければならない相手だったが四球でランナーが出るもあと一本が出ずに2回まで無得点。正直
WBCには投球制限もあり、3~5イニングが交代のメドともいえる一人の投手を攻略するのに打者一巡もかかっていては遅すぎるのだ

 3回は坂本のこの試合初安打からチャンスを広げて糸井の適時打で同点に。安打→バント→適時打という最高の攻撃の形にはまり、なおも一死一三塁となってここから何点とれるかというところだったが、後続が凡退して畳み掛けることができず。正直ここで勝ち越したかった。

 結果的にはフェルナンデスから1点を奪って同点には持ち込んだものの初戦という硬さもあってか歯がゆい攻めになった。3イニングの9つのアウトのうち6つがフライアウトとなり、ポンポンと打ち上げてしまうケースが目立った。打ち上げてしまうことほど期待できないものはない。
 

 4回は犠牲フライで勝ち越すものの3つともフライアウト。5回から7回まで3者凡退とリードを許しながら覇気のない攻撃が続いた。

 8回に内川の安打から4番糸井がバントで送ると、代打井端が起用に応えてタイムリーで同点。さらにランナーをためて満塁となり代打阿部球場は最高潮の展開となった。そこでキャプテンらしく甘い球を一球でしとめ、好プレーでゴロにはなったものの加点。松田適時打で続きリードを広げた。しかしこの攻めをなぜ3回にできなかったか。プレッシャーを与え切れなかったのだろうか。

 
 終わってみれば安打数はブラジルを下回る7本。土壇場で打線がつながったのは好材料だが、やはり粗さが残る。苦しい試合展開になったのはもとより、投手陣に頼りきりになっている感じさえする。1点リードしてれば大丈夫という安心感はない。

 次の中国戦ではさらに打ってくれなければ困るといったところか。たしかにブラジル投手陣も力投したことはたしかだが、つけいる隙は十分にあったはずだけに、これから上に行くにつれ打線の課題は結果になって表れてきてしまうはずだ。


 田中はやはり立ち上がりに不安があるのか、迷いのないスイングで挑むブラジル打線に初回からエラー絡みで先制点を献上。回は無難に抑えるも安打を浴び、回で降板。先発の軸としての役割としてはどこか疑問符のつく投球となってしまった。

 続く杉内も2イニング目に失点。摂津もピンチの場面で好調の打者を敬遠せずに痛打を許してリードされるなど、ブラジル打線の手ごわさもそうだが、采配の甘さが問われそうな結果になった。

 しかし4番手の能見、抑えの牧田は上々な出来。ストレート、変化球とも抜群の仕上がりだった。

 勝利はつかんだものの投打に課題となる部分が見つかった試合だった。そしてブラジルを見て、とても魅力のあるチームだと感じる部分が多かったと言える。初戦としてはとても考えさせられる、今後の日本の戦いに生きる一戦になったのではないだろうか。