★タクドラ★私とギャルが組織の罠に・・・<3>★
★タクシードライバー日記★ 3
私とギャルが組織の罠に・・・<3>
学校の裏門でいくら待ってもそれらしき車は現れない。
前の道路を走る車を欠かさず見ているが、それらしき
車は見当たらない・・・
黒の車で無く、逆に他の車で我々をどこかで監視して
いるのだろう・・・?(どんな運転手かを・・・)
そうこうする内に、電話をしている娘が、
「おっちゃん、学校の正門に来て欲しい、言うてんね
んけど・・・」
「よっしゃ!イヨイヨやな・・・奴等と遭遇するのは」
正門に行ったが門の中に車が6~7台、ぎっしり入っ
て、私の車はギリギリ入れたくらい・・・の状態だ。
しばらく待つと、フェンダーミラーに門から入ってくる
1人・・・いや2人、3人の姿が見えた!
そのうちの1人がコンコン、窓を叩いた。
「運転手さん、引っ張りまわしてゴメンな、コーヒー飲
む?」
色の黒い、無精ひげで強面の、身長は180cm以上
ありそうな大男の兄ちゃんだ!
缶コーヒーを見ると口がわずかだが開いていた事に
私は気が付いた・・・
これはヤバイ!と、思い。
「この度は、長距離のご利用有難うございます。コー
ヒーは私の自前でボトルに入れてますので、結構
です」
「そうですか・・・支払いはいくらでしょうか?」
「12、340円ですが、5000円超過分は半額になりま
すので」
と言いながら、メーターの支払いを押して見せた。
「8、670円ですか?こりゃ安いわ、高速代も含めて
払うから領収書を、正式に書いてもらわれんかな?」
彼とのやり取りの内に、他のメンバーが女の娘2人を
車から出していたが、領収書を書いてる間に、その男
も居なくなっていた・・・
書いた領収書を渡そうと、頭を上げると、そこには誰
も居なかった・・・直ぐ後ろの門に走り、外も見たが誰
も居ない・・・
「やられた~!」
最終的にココを選ぶという事は、奴等は計画的で、
過去に何度かやった経験があるに違いない・・・と、
思った。
門の並びに塀で取り囲まれていて、外の道路は直ぐ
急な坂になっていて、下った所は右カーブになってい
る。
右カーブを曲がれば何も見えなくなる状況だ。
奴等にとって、くらますのには絶好の場所だったに違
いない。
私が思うに・・・
門の外の道路に車を止めて、(勿論塀で私の所からは
死角になっている)一人の男と話している間に、女の娘
2人を他のメンバーが連れ出し、待っている門の外の
車に乗せ、領収書を下を向いて書いてる隙に一人もこ
っそり奴等の車に乗ったのだろう・・・?
エンジン音は聞こえなかったので、前の道路は急な坂
の為、ニュートラルで降りた可能性も考えられる・・・
降り切ったところは右カーブになっていて、右折した車
は建物で死角になり、姿は見えない・・・!
今回の事件、悔しい事も無ければ、何故か私には不
思議な感動すら覚えたのである!!
だが、あの2人の娘達が、何事にも巻き込まれず、無
事にいてくれる事だけを願いつつ・・・東名高速を、
一路、枚方へと向かう私だった・・・
「奴等すげ~~~!たかが8、670円をただ乗りさせ
る為に、ココまでやるか~~~?」
まるでサスペンスドラマの、主人公の気分を味わった
のである。
ところが・・・
その日の夜中、警察から我が家へ電話が入った・・・
勿論、会社にも連絡が入り、毎日出す日報を調べた
結果、あの2人の娘を運んだのが、私だと判った理
由は、私の名前の「要」だった。
あの2人が覚えていたらしい、車中のトークの中で・・・
どうやら、あの2人は心配していた通り、悪い仲間に
はめられて、組組織の「いけない遊び?パーティー」
に参加させられたそうな・・・
それを警察がどう言う訳か知らないが、そのパーティ
を仕切った組織を追求し、2人を保護したらしい・・・
私までが悪玉の片棒担いだのでは・・・?
と、疑われて・・・とんだ事になってしまった。
警察にはその旨を伝えて、何とかなった次第である。
この話は私がタクシードライバーになって3ヶ月目の
嘘偽りの無い過激な出来事である。
この件はこれにて一件落着!!
Zzz…(*´?`*)。o○