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三匹の忠臣蔵

日々是好日。
お弁当ブログだった「お弁当にはたまご焼き」からリニューアル。
映画レビューを中心に、日々思いついたこと、感じたこと、趣味のことを書いてます。

3人のランナーがそれぞれパートナーを巻き込みながら、止まるか、進むかを模索する人間ドラマ。
原題は「スプリンター」。

引退するかどうか迷う記録保持者キム・ヒョンス(パク・ソンニル)。
ヒョンスは現実と将来の間で引退を考えながらも、どうしても諦めきれない。
パートナーのジヒョンは本人のやりたいようにさせるが、最後はホッとしたんじゃないかな。ところがってラストだが。

チームそのものが解体の危機に立つ有望株、イ・ジュンソ(イム・ジホ)。
元国家代表のコーチは自分自身の将来も考えつつも、結局はジュンソの意思を尊重する。
この判断は結果的に正しかった、信じるものは救われる。

トップの地位を失う恐怖を抱くイ・ジョンホ(ソン・ドクホ)。
ジョンホは自分の限界を感じ、ステロイド剤にまで手を出してしまい、コーチにバレてしまう。そこで「代表になったら専属にする」と取引を持ちかける。

それぞれが引退の葛藤、地位喪失の恐怖、チーム解体の危機を抱えながらも走り続ける姿を通じて、「走り続けることよりも、止まる判断を問う人生」を静かに描いてる、というより、問うてる感じもする。

人生の岐路で、進むか・止まるか・戻るかを決めるのは結局本人だが、周囲は距離を保ち見守るくらいがちょうどいい。
そこに他人の思惑が絡むと、一気にドツボにはまるというラスト。
意外と真面目で誠実な映画やった。

コン・ミンジョンは独特な雰囲気をもつ役者さんやな。

 

 

ランナーたち、疾走する選手たち