今、上野の森美術館で開催されている『フェルメール展』に行ってきた。
ヨハネス・フェルメールは、17世紀のバロック期を代表するオランダ絵画の巨匠であり、「光の魔術師」とも呼ばれている。
そして何故か、日本では大人気の画家である。
昼の早めの時間に行ったのだが、昼から夕方までのチケットは、すべてソールドアウト。
結局、7時まで時間をつぶして、最後の回にしか入れなかったほどの人気。
しかし、その待ち時間も無駄ではなかった。
まさに映像のような写実的な手法と綿密な空間構成、そして「光の魔術師」と言われるほどの光による巧みな質感表現。
フェルメールは、オランダのレンブラントやスペインのベラスケスらと並ぶ、バロック期の巨匠だが、一方で「忘れられた画家」ともいわれる、不思議な画家である。
17世紀には、大変高い評価を受けていたにも関わらず、18世紀に入った途端、急速に世の中から忘れ去られていく。
そして19世紀においても、忘れ去られていたのだが、1866年のフランスでビュルガーの雑誌のフェルメールの論文から、再び脚光を浴びるようになった。
しかし、戦時中のドイツナチスの強奪や盗難等で、今、世界に現存するフェルメールの絵画は、わずか35点しかない。
今回の上野の森美術館には、そのうち日本では過去最高の8点が展示されていた。
有名な「牛乳を注ぐ女」や日本初公開の「ワイングラス」「真珠の首飾りの女」等が、アムステルダム美術館、ベルリン美術館、メトロポリタン美術館と、世界中の名だたる美術館から貸し出されたのは、奇跡に近い。
実は、フェルメールの絵画の中でも、最も有名な『真珠の耳飾りの少女』という作品をモチーフに映画が作られている。
僕がフェルメールに興味を持ったのも、その映画を見たからである。
2003年に、イギリスとルクセンブルク合作の映画が撮影され、ヒロインの『真珠の耳飾りの少女』をスカーレット・ヨハンソンが演じ、フェルメールをあのコリン・ファースが演じている。
そしてこの映画でスカーレット・ヨハンソンは、この年のゴールデン・グローブ賞の最優秀主演女優賞に輝き、作品は第76回アカデミー賞の撮影、美術、衣装デザインの3部門にもノミネートされた。
今回のフェルメール展には、残念ながら『真珠の耳飾りの少女』の絵は、来ていないが、それ以外にも17世紀オランダの素晴らしい画家の作品も多く展示されている。
この秋のこれからの良い季節に、美術館に足を運んでみては、いかがでしょうか?
:ヨハネス・フェルメール『真珠の耳飾りの少女』