もうすぐ、お盆休みも終了し、またいつもの忙しい日常が始まる。
今年の夏休みは、何故か、ジャズにどっぷりと浸かって過ごした。
毎年、帝国ホテルで行われている『Inperial Jazz2014』に行った。
この催しは今年で11年目らしいが、いくつもの会場で、いろんなジャズミュージシャンの演奏が楽しめる。
フリーパス・チケットで、ドリンク、フード付きで、1日いろんなジャズが楽しめるので、ジャズファンには堪らないイベント。
そして昨晩は、『'ROUND MIDNIGHT』を観た。
50年代末のパリ、ニューヨークを舞台に、伝説の天才ジャズ・ミュージシャンと彼の音楽を愛する貧しいフランス人画家の、音楽で結ばれた熱い友情を描いた、素晴らしいヒューマンドラマ。
で、これが実話をもとに描かれているのだが、実在のモデルは不世出の天才ジャズピアニスト・バド・パウエル。
しかし、映画ではこの主人公は、天才サックスプレイヤー:デイル・ターナーとなっている。
そしてこの天才サックスプレイヤー役を、ジャズ・ミュージシャンのデクスター・ゴードンが演じていてアカデミー賞の主演男優賞にもノミネートされた。
実際の演奏も素晴らしいが、哀愁漂う初老のジャズ・ミュジシャンを見事に演じ切っている。(一説には、演技ではなく、地でやっているだけらしいが・・・)
そして音楽は、こちらも天才ピアニスト:ハービー・ハンコックが担当し、アカデミー賞作曲賞を受賞した。(もちろん本作にハービー・ハンコックも出演、素晴らしい演奏を聴かせてくれる)
現実に、フランスのブルーノート(最近は日本でも聴けるが、当時は世界のジャズの生演奏を聴ける数少ない名店だった。ちなみにブルーノートとは、ジャズ特有の3度、5度、7度を半音下げたブルーノート・スケールから、店の名前を取っている。
実は、天才ジャズプレーヤー:デール・ターナーがフランスに渡った時は、酒とドラッグで身も心もボロボロの状態だった。
しかし、そこで知り合った貧しい画家・フランシスが、この天才プレイヤーを立ち直らせるため、幼い子供を一人で育てているのだが、別れた元奥さんに借金を頼んでまで、彼を支えようとする。
最初は、どうしても酒と縁が切れず、何度も病院送りになるが、フランシスの献身的な支えに、ようやく立ち直り、自分の音楽を取り戻す。
しかし、最後はニューヨークに戻ったターナーは、最後、ドラッグによって、天才音楽家の生涯を閉じる。
これは、実在の天才ジャズピアニスト:バド・パウエルが、フランスから帰国してすぐにドラッグで命を落とした事実に基づいている。
国籍も人種も違う、二人がジャズを通じて知り合い、お互いを尊敬し、支え合う姿は感動する。
また1950年代後半の、ニューヨークの退廃的なジャズシーン、摩天楼を眺めながら二人が語り合うシーンも感動的である。
そして圧巻は、デクスター・ゴードン、ハービー・ハンコック、ロン・カーターを始め、素晴らしいジャズプレイヤーの名演が、これでもかという位、全編を通して聴けるのだから堪らない・・。
自分も、この1950年代のジャズが好きで、アルトサックスを始めたので、その名演には圧倒された。
音楽好きな人には、是非、お勧めの名作です。
