今は、まだ5月連休前で映画の話題作が少ないので、自宅でのんびりとDVDを楽しんだ。
前から観たかったのだが、見逃してしまっていた『ペイ・フォワード』を観た。
原題は、『Pay It Foward』、キャサリン・ライアン・ハイドの小説を基に、ワーナーが2000年に映画化。
日本の公開は、2001年2月で世界中でムーブメントを巻き起こした話題作。
『Pay Back』は、受けた恩をその人に返すこと。
『Pay It Foward』は、受けた恩を次の人に渡すこと。
担任の教師役にケビン・スペイシー、母親がヘレン・ハントというアカデミー賞俳優の共演。
主役の中1の男の子役が、当時「A・I」や「シックス・センス」でも抜群の演技力を放った天才子役 ハーレイ・ジョエル・オスメント。
物語は、11歳の少年トレバーの中学に、顔面に酷い火傷の跡が残る新任の社会科教師シモネット先生が着任。
そして授業で、「もし君たちが世界を変えたいと思ったら、何をする」と問いかける。
まだ11歳の中学1年生、いろんな幼稚な発想が出る中で、トレバーが奇想天外なアイデアを思いつく。
それは、自分が受けた善意や厚意を相手に返すのではなく、3人の人に贈るというアイデア。
そしてトレバーはそれを実際に周りの大人たちに、自分で実行していく。
「仕事に就かない薬物中毒の男」「アルコール中毒の母親」「いじめに合っている同級生」の3人。
トレバーは、自分ではうまくいかなかったと感じるが、やがて心に傷を負った大人たちの心を癒していく。
それから、TVの取材を通じて、この善意の運動が全米に広がっていくというストーリー。
この衝撃のラスト、これは賛否両論あると思うが・・自分としては悪くないと思う。
実際にこの小説、映画をきっかけに、『Pay It Foward』のムーブメントが世界中で起きた。
今では「ペイ・イット・フォワード財団」が設立され、この善意の運動を世界に広めている。
この『Pay It Foward』が誕生したきっかけは、原作者キャサリン・ライアン・ハイドが、 治安の悪い町で車がエンストしてしまったらしい。
ハイドは、車に近付いてくる男2人に恐怖心を抱いた。
しかし男たちはエンストしてしまったハイドの車を、快く修理してくれたのだった。
そこから、この“善意を他人へ回す”という思考が誕生したのだそうだ。
そしてこの善意を人に贈るという考え方は、日本にも昔から『恩送り』という考え方があった。
日本のことわざにも、『情けは、人のためならず』という言葉がある。
この諺は、誤解されやすい言葉だが、要は人に情けをかけると回りまわってやがて自分にも返ってくる。
だから周りの人に情けをかけてあげなさいという意味である。
あとは年金制度もこの『Pay It Foward』の考え方がベースにある。
現役世代が、今の高齢者を支え、やがて自分が年を取ったら自分が支えてもらうことになる。
ところが、この考え方は、支える人が多くなくては、ならず、現在の少子高齢化の時代にはそぐわなくなっていて、制度が破綻しているのは皮肉な話である。
余談だが、3人の人に善意や厚意を贈るという発想は、3人ということに大きな意味がある。
もしも世の中の人々が、善人と悪人が半々だとしたら、2人の人に好意を贈っても悪人は次の人に伝えないかも知れない。
そうすると1人にしか伝わらず、伝言ゲームのように広がってはいかない。
3人ならば、伝える善人が1.5人になり、必ず善意は世界中に伝わる。
そんな時代が早く来てくれれば、良いのだが・・・・。
