彼と過ごす大切な日
私は精一杯おしゃれをしたつもり
町で浮いてないんだろうかなんて
ずっと考えながら病院の前で待ってた
――響くバイクの音
「おはよ!王子様のとうじょ~」
「誰が王子様よ!って健斗
バイクもってたんだね」
「美羽のために頑張ったんだよ!
ってまぁ3割嘘だけど…」
「なにそれ!?」
やばい、楽しい
「じゃぁいこっか!まず俺んちだっけ?」
初めて乗るバイクに、
初めての彼氏の後ろ
それだけで私は幸せだった
そして到着した健斗の家
なんかきれいで、おっきくて
想像してた家と全然違っていた
「俺の部屋きたないけど
とりあえずくる?」
「おじゃまします…」
「あ、やっぱ先親に紹介しとくわ!
大事な彼女だしなっ」
え…心構えができてない…
それでもずんずん進んでいく健斗
ガチャ
「お袋!彼女連れてきた」
「あ、あの!佐倉美羽です!
えっと、えっと…」
「あぁいらっしゃい!
可愛い彼女ね健斗」
そこに立っていた健斗のお母さんは
とても綺麗で、やっぱり親子だなとも想った
「ゆっくりしていってね
なんにもない家だけど…
健斗、これからつれてくるときは
ちゃんといいなさいよ!」
「わかってるって
じゃ、いこっか美羽」
「あ、うん!」