「お、思い出したよ…
昨日はごめん…」
もっと他に言いたいことあるのに。
口が、自分のいうことを利いてくれない。
「あ、まじで?よかった~
またいって忘れられたまんまだったら
どうしようかと思ったよ!
なぁ、どれぐらい覚えてる?」
「幼稚園、遊んでくれたなぁってことしか…」
「いやもうそれで十分!」
嬉しそうににかっと笑った彼の顔を見て
胸の奥が熱くなった気がした。
「俺さ、ちょくちょくここにきていいかな?」
「え、なんで…?」
私の胸はどきどきするばかり。
「美羽ちゃんさ、なんにも言わないまま
幼稚園卒園しちゃったじゃん?
俺ずっと喋りたかったんだ
君に引かれるものがあったから」
え、どういうこと…?
「…なんつってね。
ほんとは理由なんてないよ。
いやあるんだろうけど
言葉にちゃんとできないな…
ま!そゆことだからよろしく!じゃね!」
風のように彼は去ってしまった
残された私は何をどうしたらいいのかわからなくて、
ただ、彼とまた会えるということが嬉しくて
それ以上はなにも考えられなかった