「今日、ディック・スレーター観に行くんですよ。」
「へぇー、ディック・スレーターか。懐かしいな。」
当時、そんな熱心にプロレスを見なくなったバイト先の先輩とも
まだそんな会話が成立してた1995年8月。
そのディック・スレーターを観るために
IWAジャパン八王子大会を観戦しに行くことにした。
このシリーズ最終戦は川崎球場で
ダン・スバーンとターザン後藤のNWA世界戦を敢行したが、
このシリーズをピークにキニョネスIWAは失速していく。
夕方、大学の友人と八王子駅で待ち合わせをし、
多分、このバスでいいのかな?、というバスに乗り込んだ。
バスに乗り込むと、「多分、行先は自分たちと同じだろう」
という人逹がいたので安心する。
しかし、降りるバス停が分からず、
結局、終点まで着いてしまい、慌てた。
バスの中には自分たちと小学生グループが取り残された。
彼らが一番バスの中で「プロレス観戦モード」全開だったんで、
彼らが降りる時に降りればいいや、高を括っていた。
結局、同じバスで引き返すことになる。
彼らの中の一人が自分たちに仲間意識を感じたのか
「誰のファンですか?」なんて聞かれたので
「いや~、最近のプロレスはよく分からないからさ
」咄嗟にでた嘘・・・
ようやく会場近くのバス停に着いた。
彼らは会場方面に向かう、
大きな川に架かる大きな橋を
慌てて走って行った。
試合開始まであと僅か。
本当は彼らを後ろから
追い抜きたい衝動を
グッとこらえた二十歳の夏の日の夕方・・・(つづく)