なかなかブログをかけずにおりますが、現在は順調に治療が進んでいます。
通常プロトコル(A1,A3,ICE)を進めており幸いにも腫瘍も著しく小さくなっています。
 
抗がん剤A1をはじめた初日にそれは起きました。
腫瘍がある副腎からはカテコラミンと呼ばれるホルモンが放出されているようです。要するにアドレナリンです。抗がん剤投与初日にはその腫瘍が分解され大量のカテコラミンが放出されたと後に聞きました。
 
結果として非常に血圧が上がり、PRES(Posterior reversible encephalopathy syndrome)と呼ばれる可逆性の脳症に陥りました。妻から次男が意識不明との連絡を受けたときは本当に不安でした。可逆性だったのは不幸中の幸い。
 
思い起こせば入院当初から次男の血圧は高く、降圧剤を飲む基準ギリギリだったのを覚えています。ギリギリゆえにちょっとしたことで基準をすぐにオーバーします。
看護師の方々はできるだけ薬を飲まない方が楽という観点から再測定して基準以下ならOKとしその値を採用します。なので次男はPRESに陥るまで降圧剤は飲まずに済みました。
 
一方で、「一度でも基準を超えたのに本当にいいの?何のための基準?」という疑問を私はずっと感じていました。妻には話してはいましたが、看護師さんや先生たちには話さずにいました。理由は「プロがやってるんだからきっと正しい。自分の疑問はあくまで素人の疑問」と思っていたからです。
 
でも心のどこかでなんか腑に落ちないモヤモヤとした気持ちが残っていました。
私の職業がエンジニアであることも関係しているかもしれません。いち科学者の(ちょっとおおげさですね(笑))はしくれですから、物理現象を測定して真の値を得るということがどういうことかというのは統計的にきっちり判断しなければならないことが身についています。数回測って最小値を採用するというのはいかがなものなのか。。。でもそういうもの?
 
この遠慮は"完全に間違い"でした。疑問に思ったことをすぐに聞いていればPRESにもう少し早く気づけたのかもしてない。たらればですが。
 
先生や看護師さんだって人間ですし、マネジメントだって100%完璧はありえない。
だからこそ、100%に近づける努力を双方がしていかなければならないんですね。
 
私が疑問を遠慮して放置していたことは本当に無意味なことでした。
 
そうです、遠慮している場合ではないんですよ。次男の命がかかっています。
 
結果、ICUで一夜を過ごすことになった次男。ICUの先生と話をする際に上記の疑問を投げかけてみました。「申し訳ない。おっしゃるとおりです。平均値で見るべきでした。」と謝罪の言葉がありました。と同時にこちらも言ってなかったことを悔いていると謝罪しました。
 
それ以降は疑問に思ったら必ず聞く。
だろう、たぶん、きっと、のような曖昧な状態にしないように心がけています。
 
正直なところ、厳しい指摘もします。例えば掃除の仕方。。。
だって好中球ゼロの人が過ごす部屋ですよ?掃除してるのか雑菌を広げてるのか分からない清掃なら自分でやりたい。そう言いました。
 
幸いにも、次男の入院している病院は私の疑問や指摘に丁寧に応えてくれています。ありがたいことです。誤解を招かないように言っておきますがPRESになったのは病院側の運営のせいではないと思っています。たとえ降圧剤を内服していても抑制できなかったと思っています。
 
言いたかったのは「遠慮している場合ではない」です。
遠慮している暇があったら何かを前に進める!
今日も完治に向けてできることをひとつずつやっていくだけです。