日本国憲法は3日で施行から76年を迎えた。岸田文雄首相(自民党総裁)は憲法改正を求める民間団体の集会にビデオメッセージを寄せ、憲法への自衛隊明記や緊急事態条項の新設に意欲を表明。「憲法改正への挑戦は決して容易ではない。しかし、社会が大きく変化する今だからこそ挑戦し続けなければならない」と強調した。
首相は北朝鮮による度重なる弾道ミサイル発射などに言及し、「戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中で、自衛隊を憲法に位置づけることは極めて重要だ」と述べた。
また、新型コロナウイルス禍やロシアによるウクライナ侵略によって、緊急事態への対処に関心が高まっていると指摘。衆院憲法審査会で議論が活発化していることに触れた上で、今後も衆参の憲法審で「真摯(しんし)に落ち着いた議論を重ねてほしい」と期待感を示した。
首相は、来年9月の自民総裁任期満了までの憲法改正を目標に掲げており、「憲法改正に向けた機運をこれまで以上に高めることが重要だ」とも語った。改憲の賛否を問う国民投票の時期のめどなどへの言及はなかった。