初心・uigokoro

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初心・uigokoro 14-2~心恋(うらこい)~



日に日に夕貴の存在が自分の中で大きくなっていることに気付いた。

うぅん、違う。目をそらしてきたんだ。自分が彼を異性として意識し始めている。

昔は・・・私がお姉さんなんだからってそればかり考えていたっけ・・・。

それと同時に今の自分が彼に頼っているという事も改めて感じた。


>昨日のお詫びに何処か遊びに行こうか?


打ちながら苦笑いした、私がお姉さんなんだから・・・っていう気持ちがなくなったわけじゃないな。

でも夕貴と交わすメールはこんなに楽しくて、

彼に逢うとなんだか温かい気持ちになれる。

もしかして・・・私って彼の事好きになっちゃったのかな・・・?

でも彼がどう思ってるかは分からないから、言葉にするのはやめておこう。

打ち始めたメールを消して新しく書き直した。


>初詣、良かったら一緒に行かない? 


昨日の今日で遊ぼうっておかしいよね?それに・・・

予定は先にあるから、待ってる時間が楽しみなんだもん。


そんな事を思いながら今日は一日過ごしてしまった。

もうすぐ忘年会もあるんだな、夕貴はいつだろう?

飲みすぎたりしないかな・・・と思いながら又ひとりおかしくなった。

それは私の方か、あの日の記憶が途中からないもん。

そういえば・・・私、ベッドまで行った記憶がないな。今度、真由に聞いてみよう。

年末は何かと忙しいだろうから、年明けにでも聞いてみよう。


すぐに連絡しなかったのはまだ真由に逢ったときどんな風に接していいか、

迷っているというのもあった。

真由の恋愛を「応援してあげる」なんて私からは言えなくて。

だからといって中途半端に接してしまう事も、変にあおる事も出来ない。

私が深く相手の人のことを訊けなかったのは

「どうせ、言ったってみちるには分からないでしょ?」と言われると思ったからだ。

そう、分からないよ私には・・・。

どうしたらいいのか。

あなたにどう言えばいいのか・・・。



       <15-1>へつづく