初心・uigokoro

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初心・uigokoro 6-1~告白~








もうすぐクリスマス・・・。

今年はつい最近までは何もない予定だったけど急きょ・・・

本当に急にだけど夕貴と一緒に食事する事になった。


気持ち顔がほころんでしまう・・・自分で恥ずかしい。

「ん?」

携帯が震えた。着信だ・・・誰からだろう?


「もしもし?」

「みちる。わたし、元気?」

「な~~んだ、真由かぁ~。」

「私で悪かったわね。って名前の表示出てるでしょっ。」

・・・そういえばそうだ。てっきり・・・。

「誰だと思って出たの?凄く嬉しそうな声だったけど・・・。」


ドキッ!!っとしながらも確認しないで電話に出た自分が悪いのよね。

そう苦笑いしながら、慌ててごまかした。

「誰かな~?って思ってすぐ出ちゃったから・・・んで何?」

「今日、空いてる?久しぶりにデートしない?」

「あ・・・そ、そうだね。あの店で良いの?」


最近は夕貴と週末遊びに行くことが多くなったから真由とのデートは

しばらくご無沙汰になっていた。


「じゃ、いつもの喫茶店で待ってるね。」

「うん、了解。」


ピッ。っと電話を切ったあと、あれ?と、不思議な感覚が残った。

何か・・・いつもの真由と違うんだよね。

電話してる時にちょっとだけそう感じた。

何がどうとか、何処が・・・とハッキリではないのだけれど・・・。

気になりながらも仕事が終わるといつもの店に向かった。



「いらっしゃいませ。」

「こんばんは。」

「あ・お久しぶりですね、お連れ様お待ちですよ。」


何度も来ているから、お店の女の子も覚えてくれたらしい。

そんなに来てたかな~?と改めて思った。


「こちらに・・・。」

と案内されたのは少し中に入った席だった。いつもは外の景色が見える所を選ぶのに・・・。


「あれ?思ってたより早いね~。」


普段と変わらない声で真由が言った。

気のせいだったのか、席が違うのも今日はちょっと気分転換かな?

そんな事を思いながら、私も席に着いた。



「コーヒーとカフェオレを・・・。」


「はい。」

注文を終えると真由が訊いた。


「ねぇ、クリスマス一緒にホテルに泊まろ♪」

「え!?」


<6-2> につづく