ホット・ガールズ・ウォンテッド(NETFLIXオリジナル作品)
 
 
2015年 84分
監督 ジル・バウアー ロナ・グラドゥス
 
・あらすじ
2015年サンダンス映画祭で話題になったラシダ・ジョーンズ製作のドキュメンタリー。暴力的な作品の多いアマチュアポルノ業界で働く女性たちに鋭く迫る
 

・私の評価
☆5.5/10

Yahoo映画の評価 ☆ --/10.0
IMDBの評価 ☆ 6.1/10.0
 
アメリカにおいてのポルノの変化を捉えようとしたドキュメンタリーです。業界はどんどん進化していくのに、それに伴った法律や仕組みは昔のままなので、携わる人の状況はどんどんと歪になっていっている…のようなことが浮かび上がる構成になっています。
 

あまりこの映画の説明がある場所がありませんので、ここで軽く内容を説明しますと、
 
ドキュメンタリーの舞台はフロリダ州マイアミ。この土地はどうやら全米の中でもアマチュアポルノがさかんな場所なんだとか。そんなマイアミにある、ポルノ女優や女優志望の人が一時的に住むシェアハウスのような場所が主な舞台となっております。ここは事務所も兼ねているようで、中には家の主で仕事を回してくれる男性が1人と数匹の犬、後は入れ替わり立ち代わりに入っては出てを繰り返す女の子たちがいます。何でも、デビューしてから半年以上いる人はほとんどいないそうで、大体の女性は1ヵ月~3ヵ月以内に辞めていくのだとか。
 
彼の元には毎日のように、ひっきりなしに「私、デビューしたいです」「興味あります」のようなメールが裸の画像付きで届くんですよね。この事務所では基本的に18歳か19歳の在籍が中心だそうで、彼は18歳で可愛い子を中心に返信していっています。その理由は『ティーンは人気があるから』と、至ってシンプル。
 
どうしてこんな若くて可愛い子が!?なんてビックリもしますが、その背景には劇中の序盤でも描かれている通り、ネットの普及があります。10代前半からポルノサイトが誰でも見れてしまう時代だけに、とても身近なものになっているようです。それに伴ってポルノのイメージ自体の変化にも原因があるようです。TVに現役女子大生ポルノ女優が出て来て、色々お仕事の話とかのインタビューを受けているシーンが出てきたりします。
 
そしてこのポルノ事務所に在籍している1人の女の子を中心として、他数人の女の子の密着取材をこの映画では見ていくことになります。
何故この仕事をすることにしたのか、また、今何を感じているのか、周りの人間はどんな対応をするのか、そんな感じです。
 

・視聴前にこの映画に感じたこと
 
NETFLIXオリジナル作品の中で、今回はドキュメンタリー映画でも見ようかな、と思いチョイスしました。
特に興味があったわけじゃないんですけれど、何となく面白いな雰囲気があったので試しに視聴(*'ω'*)
 

・視聴中に思っていたこと
 
・途中に出てくる19歳の女の子が、どう見ても38歳くらいに見えてしまいます(笑)。
 
・喉の奥って…(*_*; エグすぎです((+_+))
 
・お父さんがとてもいい人すぎて何だか可哀想…。
 
・ゴルフボール大!?ひぇぇぇ( ゚Д゚)
 
・メガネキャラが1人いるんですけど、途中で違う女子も眼鏡かけたりするので一瞬混乱しました。
 
 
 
 
・見終わった直後、フワっとした感想
 
うーん、なんだかなぁ…という感想です。
18歳になったばかりの女の子たちが出てきます。最初は憧れ?のポルノに出演してイケメンの俳優とHできたりしてキャッキャしているんですけれど、次第にポルノ業界がその本性を現していって…ついにはその牙で彼女たちを侵食していく…と、面白そうな感じは最初はあったのですけど、いかんせん…。
 
よく考えず軽い気持ちで始めちゃう人がこんなに多いんです、それは今の世の中が…ってことだとは思うんですが、選んだのは本人なので「お仕事頑張って」としか思えない私の心が冷たいのでしょうか…(笑)。
 
 
 
・で、印象に残ったあのシーンについて
 
・デビューしてちょっとすると人気が落ちてしまい、より過激な撮影に挑まなきゃいけない…らしくて、そこで”ある練習”をする女の子がいるんですが…。もう嫌な汗が出てくる代物でした(笑)。止めなさい!(笑)
 
・とある過激というか、女性の尊厳を無視したジャンルがアメリカでは人気のようで、そこでは女の子が吐く、で出したものをすするみたいなのが定番らしいのですけれど、エグすぎて印象に残ってしまいました……。もし日本も同じ傾向なのだとしたら本当にイヤです(*_*;
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

・ネタバレ付き感想
 
ドキュメンタリー映画って、全部見終わると「実はそういうことだったんだ」とか「そんなこと知りませんでした」のような新しい発見があったり、人物を多角的に捉えることで思わぬ真実が浮かび上がったりと、学ぶことが多かったりするものです。
本作は結論ありき、というのもありますが、浮かび上がってくる事実が想像していたものとほとんど変わらないので、それはそうですよね、っていう感情で終わってしまっているのが問題かと思います。
 
最も多くカメラに映る18歳の女の子がいるんですけど、親にバレて辞めろと言われ、彼氏に辞めてほしいって言われて、渋りながらも結局辞めるんです。そりゃそうだねって話なんですけど、どうして続けることに固執していたのか、っていうのをもう少し掘り下げて欲しかったです。『彼女はポルノはよくないことだと分かり、辞めた』という結論ありきの編集に見えて、なんだかな~っていう感じがしました。
 
密着対象の失敗もあると思いますが、アメリカポルノの実情をコメントで出したり、フォロワー数の増加などを出してみたりと、制作者のメッセージを打ち出そうとしすぎているというのもあって、薄っぺらく感じてしまいました。
 
ポルノ業界が行き場のない人のセーフティーネットになっているという側面もあるんじゃないかと思うんです。逃げなくてはいけない何らかの理由があって、ポルノ業界に行くことで救われたという人もいるはずで、そういった人にもスポット当てるなどして、もっと色んな角度からこの世界を捉えることは出来なかったのかな? と、そう思わずにはいられません。「これは酷い世界だ」といように誘導されているような気がしちゃって…。
 
確かに本作で訴えているように、時代に合わせて何らかの規制や法律を設けていかないと、という考えは分かりますしそうなんだと思います。でも少なくとも劇中ではですが、騙されてとか無理やり連れてこられてっていうわけじゃなく、たとえ世間のことをあまり知らないとしても、女性が自分の意思で、しかもポルノ出演と知って応募してきているので、その責任が行政や過激さを求める男性側にあるっていうのが私としてはあんまり納得できないというのはあります。この辺りは人によって感じ方は大きく異なりますよね。まだ大人とは呼べない、善悪の判断を間違いかねない10代という年齢で、そういった将来を台無しにしてしまうかもしれない職業につけるということ自体がおかしい、そんな意見だってあると思います。
 
ちなみにカリフォルニア州ではポルノ撮影にコンドームが義務付けられているため、素人ポルノの撮影はマイアミでする、とか一生使うことがないであろう知識を多数得てしまいました(笑)。
 
そんなこんなでしたが、アメリカのポルノの現状の一旦を知ることが出来るので、興味がある方にはオススメです(*'ω'*)
 
見終わった後は☆3~4くらいかな、と思っていたんですが、感想を書いているうちに実は結構色々考えさせられてたな~なんて思い返して☆5.5としました( ;∀;)
 
#映画レビュー