「ONCE ダブリンの街角で」
 
 
2006年 87分
監督 ジョン・カーニー

 
・あらすじ
ダブリンの街角で毎日のようにギターをかき鳴らす男(グレン・ハンサード)はある日、チェコ移民の女(マルケタ・イルグロヴァ)と出会う。ひょんなことから彼女にピアノの才能があることを知った男は、自分が書いた曲を彼女と一緒に演奏してみることに。すると、そのセッションは想像以上の素晴らしいものとなり……。
 

私の評価
☆9.0/10

Yahoo映画の評価 ☆ 8.0/10.0
IMDBの評価 ☆ 7.9/10.0
 
とても良かったです!
映画の大半が音楽なので好き嫌いが分かれそうですけど、オススメしたいです!
 
 
・視聴前にこの映画に感じたこと
 
この監督の最新作である「シングストリート 未来へのうた」は見にいってまして、それはもう☆10/10のフェイバリットムービーなんです。
その監督の初期作品ということ、さらにシングストリートと同じく音楽絡みの映画ってことで、否応がにも期待が高まっています。
しかも聞くところによると、アメリカでは一ケタ台の公開から口コミで動員を増やして、最終的に100館以上で公開することになった上に、アカデミー歌曲賞まで獲得したそうなので驚きです。
先日は「好きっていいなよ。」で胸キュンに失敗したので、リベンジ的にNETFLIXで恋愛映画を探してみました爆  笑
 

・視聴中に思っていたこと
 
・音楽好きに悪い人はいないとばかりの音楽性善説…
・え?泊まっていかんのかい!!(笑)
・劇中でこの曲ヒット間違いなしとか言っているのですけれど、「いやぁ、大ヒットするかなぁ、うん、私はしないと思う」
・収録スタジオのスタッフが本腰を入れたあの瞬間、何故か私もドヤ顔に(笑)
 

見終わった直後、フワっとした感想
 
うーん、、、素晴らしいっ!最高!
映画始まって1分からエンドロールが終わるまで、全てが素敵すぎる作品でした。
音楽を通して心を通わせていく男女、でもなんかほろ苦くて切ない…これが胸キュンってやつだと思います(*'ω'*)
 
 

・で、印象に残ったあのシーンについて
 
正直今回はいっぱいあります。
1 最初の窃盗男のシーン  
思い返してみると意外なオープニングですが、すごく興味が惹かれました。
2 序盤、夜に自作曲を演奏する男  
カメラが曲を聴いている人の視線になっていて、徐々に近づいていくという演出が良かった。熱唱しすぎっていうところもちゅー
3 最初のセッションのシーン
歌詞、メロディー、演出が一体となっていて本当に心奪われました。とはいってもお店の中で売り物を使ってなんですよね。その安っぽさが素敵すぎ!
4 バスの中でギターを使って会話するシーン
移動中のバスでヒロインの質問に対して即興ギターソングで答えていくっていうところなんですが、これは好きになっちゃいますよぉ笑い泣き
5 ヒロインがピアノで弾き語りするシーン
終盤です。ヒロインのつける歌詞や作る曲調の悲しいっていったらないです。何を、誰を想って歌っていたのでしょうか。
6 チェコ語でヒロインが男に答えるシーン
ここでは字幕がでません。なので見終わった後に調べてみました。

どれも素敵でした(*'▽')
 
 
 
 

・ネタバレ付き感想
 
大好きな作品の1つとなりました。1本の映画の完成度としてはどうなんだ、って箇所も多々ありましたけど、それを吹き飛ばすくらい波長が合ったと思います。
見終わった後は、嬉しいやら悲しいやら切ないやら納得するやら、一言で言い表せないほどの感情が押し寄せてきてしまい、自然と涙と笑顔が溢れてしまいました。
 
私が感じたことですけれど、この監督の描く音楽というものは、その人それぞれの思いを記憶したもの、ということじゃないでしょうか。写真や動画のように。
私だって昔聞いていた曲を聴けばその頃のことを思い出して、当時はあんな恋をしたな、ですとか楽しいことがあった、辛いことがあった、色々思い出したりしちゃいます。
映画では曲を作るシーンがいくつも出てきますが、例えば昔の恋人の動画を見ながら作ったりして、その時の思いを歌詞やメロディーに封じ込めているんです。振られた時の思いを曲にして歌っちゃうもんだから、それはもう呪いかのように忘れられない思いになる。でもやっぱり時間は進むし、たった1度の出会い、ONCEがすべてを変えちゃうこともある…だから歌うシーンは全てグッとくるんですよね。
 
序盤はヒロインがグイグイと男に迫っていくように見えて、なのに「あれ、そういうことじゃないのね?」ってなるシーンがあるんです。最初は「ちょっとあんなに迫ったらそりゃ~…ねぇ?」と彼女の方がちょっとどうなのかな、って思うのですけど、彼女は掃除機を犬の散歩のようにして持ってくるっていう天然な人だということ、自身もまた彼が最初に歌っていた歌詞と少し似ている境遇で共感していたこと、なんかが分かってくるんです。
きっと彼女は、自分が祖国の旦那を忘れないために、好きでい続けるために苦悩していたのでしょう。だからこそ時間がたっても相手を好きで未練を感じているという曲を歌っていた彼の話が聞きたくなってしまうのかも。
 
そして彼女の作る曲の曲調の切ないことったらないですよね。色々考えちゃって私も泣いちゃいました(笑)。
もうあの時には彼女は彼のことが大好きになっているので、余計悲しく響くんです。彼女は何を想ってあの歌を歌っていたのでしょうか。
 
書いていくととめどなく延々と感想を書いてしまいそうなのでこの辺りで。
 
最後に…「Miluju tebe!」
 
 
 
※ぐるっぽ作ってみました→

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