「ウォー・マシーン: 戦争は話術だ!」の感想

 
 

2017年 122分
監督 デヴィッド・ミショッド 

 
・あらすじ
泥沼のアフガニスタン戦争に終止符を打つべく、意気揚々と戦地に乗り込んできたマクマホン将軍が、己の理想とは裏腹に、政治家やマスコミなど様々な思惑に邪魔をされ、混迷していく。
 
・私の評価
☆7.0/10
Yahoo映画の評価 ☆ --/5.0
IMDBの評価 ☆ 6.1/10.0
 
コメディなんですけれど、笑わせに来るというよりはブラックユーモアというかそういう感じでした。後半からは結構シリアスになります。ただカルザイ大統領は本物に似ていた上に彼のファニーな人柄も相まって結構笑っちゃいました。
 

・視聴前にこの映画に感じたこと
 
今回もNetflixオリジナル作品を攻めみました。
色々候補はあったのですが、ブラッド・ピットが制作と主演ということで、かなり力が入っているのかな?と思い本作をチョイス。
軽く前情報を調べてみると、どうやらノンフィクションの本が原作となっているとのことで、実話ベースの架空の話、という位置づけのようです。
 

・視聴中に思っていたこと
 
・ブラッドピットの役作りが今回は作品のテイストも相まってやや大仰でした。でもそこが戦争屋というものを演技で風刺しているような感じがあり、とても良かったと思います。
・アフガンの大統領が面白い。登場時のアッラーへのお祈り?と思わせておいてブルーレイの配線をいじっていたというところが割とツボでした。
・ウィル・ポールター君、出ていたんですね、好きな俳優です(*'ω'*)
 

・見終わった直後、フワっとした感想
 
面白いな~、というタイプの映画ではないですが、見終わった後にアフガニスタン紛争について改めて調べてみるきっかけになりました。
残念ながら感情移入する対象がいないタイプの映画なので、見る人によっては全く楽しめないかもしれません。私はこの映画は不思議と結構好きです。この監督の「アニマル・キングダム」も見てみようかな、という気になりました。
 

・で、印象に残ったあのシーンについて
 
アフガンで現地の人と大将グレンが会話するシーン、「マザーファッカーと米軍に言われますが、イスラムの教えでは母親を犯すのは禁忌です」というすれ違いコメディのシーンがあるのですが、あの関係こそが米国とアフガニスタンを表しているような気がして妙に記憶に残りました。
 
 
 
・ネタバレ付き感想
 
65億円くらい製作費がかかっているそうです。NETFLIXってすごい…。
 
まるでマシーンのようにウォー(戦争)を繰り返すアメリカという国と、それを形作っている政治家、軍人などにスポットをあてた映画で、繰り返される不毛な円環構造、こんなことが許されてよいのだろうか、という疑問を投げかけてきます。映画そのもののも、よくあるタイプですけど円環構造となっていまして、とっても悪夢的です。
 
実話ベースというかノンフィクション小説原作ということで、実際のオバマ大統領の映像が使われたりとしていますが、ウィキペディアを見てみると劇中起きた出来事が現実に起きたことではないようです。そのあたりはあまりわかりませんでした。
 
兵士の視点の映画は見たことがあるのですが、立場が上の人による物語なのも新鮮な感じでした。後半に兵士の視点でアフガニスタンを見ることになるのですが、やっぱりこのシーンを入れないと話そのものの重みが変わってしまう、ということなのでしょう。
 
グレンの記者会見(?)で、武装勢力10人のうち、アメリカ兵が2人を殺したとして、その残りの勢力は? という質問のくだりも印象的でしたね。
10-2=8、ではなく10-2=20、という理論、そしてそれに対するドイツ人女性記者の質問。
 
あまり世界情勢とかに思いを馳せない私としては、この映画が考えるきっかけに、そして刺激になりました。
オススメしたいと思います!