小林泰三 「人獣細工」 | The Key of Midnight

小林泰三 「人獣細工」

小林 泰三
人獣細工 (角川ホラー文庫)

パッチワーク・ガール。そう。わたしは継ぎはぎ娘。その傷痕の下には私のものではない臓器が埋められている。傷痕を見ていると皮膚が透けて、臓器がゆっくりと蠢動し、じゅくじゅくと液体が染み出してくるのが見えてくる。わたしのものではない臓器。人間のものですらない臓器。・・・・・・

第2回日本ホラー小説大賞短編賞をあの名作「玩具修理者」で受賞した著者が、内臓の匂い漂う絶望と恐怖の世界を構築した表題作に、二編を加えた待望の第二作品集。


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初期の小林泰三短編集。

三篇どれも傑作揃い。

表題作は、「玩具修理者」などの作品にも似た、境界の揺らぎを書いた作品。

人間に豚の臓器を移植していくと、最終的にはどこに行き着くのか。どこまでが人間で、どこからが豚なのか。

きわめて科学的でありながら、狂気と恐怖を感じさせる、小林泰三らしい短編。

オチもかなりの邪悪さです。

二話目の「吸血狩り」は、読者の解釈の仕方が問われる作品ですね。

一見シンプルながら、どちらに受け止めるのかというその一点で、話が大きく変わってきます。解説は後に読んだほうが良いかもしれません。

そして、小林作品の真骨頂ともいえる中篇、「本」。

これだけ狂気に溢れた作品はなかなか・・・・・・・。

中盤のとあるシーンでは、本気でおぞましさを感じました。

本作もまた、境界の揺らぎが見事に描き出されています。

アンソロジー「ゆがんだ闇」所収の「兆」とあわせて読むと、より良いでしょう。


少しグロテスクな描写もありますが、ホラーが好きな人は是非。絶対に楽しめます。

8点